観劇日記

星組「眩耀の谷」キャスト別感想|礼真琴・舞空瞳トップお披露目公演

こんにちは、zukacotoです。

今回は星組新トップコンビの大劇場お披露目公演のお芝居「眩耀の谷~舞い降りた新星~」の感想をお話していきたいと思います。残念ながら公演が中止となり観劇が叶わなかったのでBlu-rayの感想となります。

はじめに言っておくとはっきり言うとかなり長いです。お時間あるときに読むのをおすすめします。笑

公演全体の印象についてはこちらの記事でお話しているので、併せてどうぞ。

星組「眩耀の谷/Ray」礼真琴・舞空瞳トップお披露目公演【Blu-ray感想】こんにちは、zukacotoです。 今日は、星組トップコンビの大劇場お披露目公演のBlu-rayを観たので感想を! 新型コロ...

謝珠栄の脚本・演出について

宝塚の元生徒で退団後は振付家として活躍している謝珠栄が今回初めて脚本と演出を担当したこの作品。正直なところ不安が的中してしまったなと言わざるを得ません。

これ、という世界観が柱としてあるのは感じましたが…こういう言い方をしてはあれかもしれませんが、脚本家としては所詮は素人です。ここは”原案”に留めてプロに脚本を書いてもらった方がよかったと思います。具体的に気になった点を挙げていきたいと思います。

お披露目公演らしからぬシナリオと人物設定

まず、何故私がここまで厳しい言葉を言うかというとこれがお披露目公演だったからです。そして、私が礼真琴ファンであるからこそより一層厳しい言葉が出てしまうのだと思います。

冷静に作品を見直せば、若干疑問は残るところもありつつも結構作り込まれていて初めてとは思えない高クオリティーだとは思うのですが…

なので、ここからの意見はあくまでもお披露目公演としてどうなんだという問題提起だと思ってお読み頂ければと思います。

話が暗い

目の付け所はよかったんです。「悩み苦しむ礼真琴」ほど魅力的なものはありません。意外と彼女は溌剌とした演技よりもこういった哀愁だとか憂いを表現するのが得意な役者です。

ただ、彼女が悩み苦しむために「誰かを酷い目に遭わせる」という方向に持って行ったのが間違い。結果的に汶族が恨み辛みを語る羽目になって、話全体がどうしても暗くなってしまう。お披露目なんだからもっと希望の持てるスカッとした話ならよかったなと思います。

人物設定の疑問点

まず、瞳花の盲目設定は本当に必要だったのでしょうか。子供を奪われた母親というだけで充分に話としては成り立った気がします。

盲目という余計な設定がゆえに、なこちゃん(舞空瞳)は手探りしながらふらふらするか座って台詞を言うかの2パターンしか道はなく…。瞳という芸名を持ちながらお披露目公演で瞳を潰されるなんて、ちょっと不憫にも感じられました。

盲目設定があったからこそ舞姫という設定も取って付けた感が出てしまった気がします。なこちゃんはダンスが得意なんだから、もっと舞姫という設定を活かしてあげればよかったのに。

そして、宣王や管武将軍の存在が中途半端なのも気になりました。最終的にこの2人と対峙する場面があるかと思いきや、そんな場面は全くなく物語が盛り上がる場面を前にして彼らはフェードアウトしてしまうわけです。

管武将軍が瞳花を妾に、という話にも今ひとつ現実味が感じられなかったのは私だけでしょうか?おそらく舞台上で二人の接点が全く無かったからだと思うのですが…。

あと、音波みのりちゃんの役も何故宣王を操ろうとするのかよくわからず。これと同様に他にも描ききれていない人物がいたのが気になりました。

ラストシーンへの不満

話の展開として、戦わずして新天地を求めるというのはよかったと思うんです。でも、あれじゃ敵前逃亡も同然。礼真が宣王やら管武将軍に何かしらガツンと言ってやったり、頭を働かせて上手く出し抜いたりして彼らに”勝った”という事実があった方がよかった気がします。

お披露目公演なのにただ逃げるというのもねえ…。ここで礼真が王としての才覚を見せていたほうが、後に汶の王になったというラストへの繋がりも自然ですよね。今のシナリオだとただ汶族の末裔だから王になるってことになってしまっていて。それじゃダメでしょう。

百歩譲って最後の最後で一曲希望に溢れる歌でも歌わせていたらまだ違った気がします。春崇が自分の身分を明かして唐突に終わってしまう感じがなんとも勿体ないなと感じました。

美しい中国の世界観

さて、色々申し上げましたが、よかったところももちろん沢山ありました。まず、その世界観ですよね。二胡の音色が美しい音楽の数々と迫力あるダンスシーンが魅力的でした。冒頭の白妙なつさんの中国語の歌から始まる場面は特に素晴らしかった。

それから、ことちゃんにかなりの量の歌を当てて下さったのも嬉しかったです。しかも歌に入る流れが自然すぎて驚きました。意外とミュージカルって何で今このタイミングで歌ったの?っていうの多いじゃないですか。それが全く無くてストレスフリー。

おそらくこれはことちゃんの力によるところも大いにあると思いますが、謝先生の歌の入れ方もよかったのかなとも思います。

あと、個人的には上級生・下級生問わず役が沢山あったのがよかったなと思います。皆にそれぞれ役割や見せ場があって、皆で作品を作り上げるぞというのが伝わってきて。

特に下級生にそれなりの役割が与えられていたのが嬉しかった。具体的にはあかちゃん(綺城ひか理)、ぴーすけ(天華えま)、かりんちゃん(極美慎)、かのんくん(天飛華音)ですね。どうしても星組は今まで本公演で下級生たちに重要な役がまわってくることがなかなかなかったので…。今回はしっかりと物語に絡んでくる役を与えてもらっていて一安心でした。

zukacoto
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ここからはキャストごとに感想を語っていきますよ~♡

丹礼真:礼真琴

今回の公演で大劇場お披露目となったことちゃん。もちろん、大劇場での主演は初めてということになりますが、とても初めてとは思えないほど舞台の広さを感じさせぬステージングに感動しました。

さて、ことちゃんは周の大夫・丹礼真を演じました。管武将軍から汶族の聖地・眩耀の谷の探索を命じられ、意気揚々と旅立つのですがそこで出会った汶族の人々から祖国の真実の姿を聞かされて葛藤するという役どころ。

お披露目らしくないというのは散々申し上げましたが、ことちゃんの持ち味を活かした役ではあったかなと思います。

zukacoto
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ことちゃんファンなのでここからはべた褒めの感想です。ご容赦下さい~!笑

流れるような美しい歌声

この作品は宝塚のオリジナル作品としてはかなりの歌が盛り込まれていて、そのほとんどをことちゃんが担っているのですが…

”歌”感なく台詞を言うかの如く流れるように歌に入るのが素晴らしかった。いつもながら耳馴染みのいい美しい歌声にマッチした美しい音楽たちもまた素晴らしく。

特に印象的だったのは♪亜里の地♪舞い降りる星の2曲。2つとも少し高めのキーでことちゃんの声の美しさを贅沢に感じられる曲。♪亜里の地では礼真の胸の高鳴り、希望を感じられましたし、登場シーンとあって初めてトップとして大劇場の舞台に立つ彼女自身のお姿とリンクしてうるうるしてしまいました。

♪舞い降りる星は「その調べに誘われて星が舞い降りる」の部分が特にお気に入り。目をつぶって聞いていても目の前に美しい星空が広がるかのような…礼真琴の歌はついに情景までもを伝えられるようになったかと感激しました。

台詞の緩急が絶品

今回ことちゃんは長台詞や一人語りのオンパレードで大変だったと思うのですが…台詞の緩急が絶妙で。長台詞でも一人語りでも最後までこちらの集中を途切れさせないのがさすがでした。

具体的に1つ挙げるなら、神の使いを追いかけて眩耀の谷の入り口にたどり着く場面が印象的でした。

神の使いを見失ってしまった礼真は目の前に現れた大木の生命力に驚き、満天の星空を見上げ亡き母のことを思い出し歌を歌うのですが…。ここの流れがなんかすごくいいんですよね。特に星空を見上げた時の「美しい…」の言い方と表情が素晴らしすぎるのでぜひ見て頂きたいです!

台詞だけでなく場面ごとの緩急の付け方もプロだなと。続くせおっちとの場面でちょっとコミカルな動きをしてみたり…ふっと緩む場面を作るのがさすがでした。

憑依型の演技炸裂

さすが憑依型さんです。今回もそれを遺憾なく発揮されていました。だってね、♪抗弁で管武将軍の真実の姿を知って本当に涙しているんですもの。言い方悪いけれどそんなことで泣けることちゃんがすごい。褒めてますよ。笑

例えばね、ロミオとジュリエットの♪僕は怖いとかロックオペラモーツァルトの♪バラの上で眠りたいとかだったら泣くのもわかるんです。親友とか母親を亡くして絶望するっていう感情がものすごく動くシーンじゃないですか。

この抗弁のシーンも管武将軍の姿に絶望して涙しているんですが、やはりロミジュリとロクモと比べると感情の揺さぶられ方が弱いというか…私だったら泣けないなと思うんです。つまり何が言いたいかというと、それだけことちゃんが礼真としての人生を生きているのだということ。改めてすごい役者さんになったものです。

一人の男の成長物語

冒頭で語り部のくらっち(有沙瞳)が「心優しい一人の男のお話でございます」と言っているように、これは”礼真のお話”なんですよね。主役だから当たり前っちゃ当たり前かもしれませんが。

この心優しき一人の男が成長していく様子がちゃんと”わかる”のがすごいなと思いました。Blu-rayをお持ちの方はやってみて欲しいのですが、登場シーンと♪生命をつなぐ~ラストシーンを続けて見ると顔つきの違いすぎてびっくりします。歌い方も全然違う。

純粋無垢な礼真が真実を知って葛藤し、悩んだ末に立ち上がる。その過程がしっかり感じられるんです。お披露目らしくないと文句を言ったものの、一人の男が成長していく物語に仕上がっているところはとてもお披露目らしくてよかったなと思います。



瞳花:舞空瞳

ことちゃん同様に今回が初めての大劇場でのヒロインとなったわけですが、やはり舞台度胸には素晴らしいものがありますよね。いい意味での押し出しの強さが魅力的な方だなと思いました。

母が子を想う心

さて、今回の役どころはなんと5歳の息子がいるという設定で。中卒だしまだ研5だし実年齢も相当お若いので母親に見えるかなと心配していました。正直に言うと母親に見えないこともない…という感じでしたが大健闘されていたと思います。

この作品のテーマの1つに母が子を想う心というのがありましたが、母親として真剣に息子を案じる気持ちは伝わってきました。礼真がその心に嘘はないと、汶族の話を信じるきっかけになるというのにも納得できました。

経験不足感は否めない

健闘はされていたとは思いますが、やはり経験不足感は否めなかったなと。ロックオペラモーツァルトのコンスタンツェみたいな役と違って、こういった役はどうしても勢いだけでは難しくて真の実力があぶり出されてしまいますよね。これはなこちゃんに限らずですが。

同じ花組出身で下級生のころからすごいと大評判だった、野々すみ花ちゃんや実咲凜音ちゃんと境遇が似ているから勝手に演技派さんかと思って期待値をあげてしまっていたのかも。

具体的には、わりと表情がワンパターンでること、気持ちを込めようと台詞に力が入っていることが挙げられます。なんだか昔のことちゃんを思い出しました。ことちゃんも同じ研5だった時、ロミジュリでベンヴォーリオを、新人公演でロミオをやっていましたがどちらも気持ちを込めようとして力みがちで、結果的に台詞回しもワンパターンになっていたんです。

でも思い返せば、なこちゃんが単独でヒロインをやったのってロクモが初めてで新人公演のヒロインもやっとこさ間に合わせで2回やっただけ。そのことを思うと今までこれだけやってきたのがすごいですし、まだまだ伸び代は充分にありそう。経験を積めば力も抜けて来る気がします。これからに期待、ですね!

管武将軍:愛月ひかる

愛ちゃんは礼真が尊敬し、崇拝する周の将軍を演じました。

礼真が崇拝するに値するかっこよさ

もうね、純粋な礼真くんはころっと騙されちゃいますよ。かっこよすぎますもん。あんな風になりたい、ついて行きたいって思ってしまうのも無理はないですよね。

あの鎧姿もよくお似合いになっていて…伊達に宙組の御曹司としてやってきたわけじゃないんだなと改めて感じました。

中間管理職の葛藤

いわゆる中間管理職の彼。上司と部下の間に揺れる男の葛藤がすごく伝わってきました。それがよく出ていたのが♪抗弁です。

宣王の言うことに納得できないけれど、従わなければ国を、そして自分の身を滅ぼすことになりかねない。だから彼にとっては礼真の言うことを理解はできるが所詮”綺麗事”にしか聞こえない。

でも言っていることは冷酷そうに見えて、実は礼真のためを思っての言葉だったりするんですよね。このままじゃお前やばいぞと警告をしてくれているわけです。そこの微妙なニュアンスを上手く表現されていらっしゃるなと思いました。

納得できないけれど従うしかない男の正義と、納得できないことに異議を唱えられずにはいられない男の正義。二人の男の対比が面白かったです。

星組の2番手として

今回が本格的な星組デビューとなった愛ちゃん。なんだかずっと前から星組だったみたいに馴染んでいらっしゃってびっくりしました。トップさんが下級生ということで、色々気を遣うところもあるかもしれませんが愛ちゃんが来てくれてよかったのかもと思うことができた公演でした。

彼女のおかげで舞台が格段に締まっていましたし、先ほども言いましたがトップさんの役との対比の出し方がお上手で。宝塚の性質としてトップさんと2番手さんの役が対比されていることが多いじゃないですが。今回それがとても魅力的だったぶん、エル・アルコンも見てみたかったなと思ってしまいました。

謎の男:瀬央ゆりあ

礼真の前に度々現れてはいつの間にかふっと姿を消す謎の人物。礼真を眩耀の谷に導くという役どころでした。せおっちも経験を積んで徐々に舞台での存在感を増していて!嬉しかったなあ。

礼真琴と対等に渡り合う姿に感動

今まで同期の礼真琴の後ろで遠慮している感じもあったせおっち。それが今回は対等に渡り合っていたのに95期ファンとしてはとても感動してしまいました。

むしろ、対等どころかことちゃんを導き翻弄する役で。ご本人も今まで受けの芝居が多くてここまで引っ張っていく役は初めて(ニュアンス)みたいなことを仰っていて、私もせおっちはそういう方が合うと思っていましたが…いやはや決めつけるのはよくないですね。

♪真か偽りかでのことちゃんとのデュエットも聴き応えがありましたね。意外とお二人の声質が合うという新しい発見もありました。

せおっちらしからぬ男臭さに驚き

せおっちらしからぬ、だなんてちょっと失礼かもしれませんが、今までにないくらい男臭い役どころで。声や仕草を作り込んでいてまさに男!という感じ。それが思いのほかお似合いで、とってもかっこよくてびっくりしました。

今まではどちらかというとオトボケっぽかったり、気弱な役が多かったかなと思うのでせおっちの新たな一面が見れて嬉しくもありました。

宣王:華形ひかる

今回が退団公演となった専科のみつるさん。周の国王・宣王を演じていらっしゃいました。

さすがの貫禄

場面は少なかったですが、さすがの貫禄で存在感ありましたね!台詞回しもやっぱり経験を積んでいるからこその味があって。最後に礼真と絡む場面でもあったらよかったんですが…退団公演にしてはちょっと消化不良感が否めないかも。

宣王にもしっかりとオチを作ってあげて欲しかったなと。宣王がしてやられた悔しい!みたいになる顔を見てみたかったです。

歌も大健闘

今回宣王には歌がありましたが、めちゃくちゃよくてびっくり!みつるさんは歌になるとズコーッとなりがちなので、最後の最後で大ヒットホームランを打ってくれてよかったです。笑

退団公演が中止というまさかの事態になりましたが、退団日を延長して下さるとのニュースにほっと胸をなで下ろしました。新しい作品で仕切り直すのか、はたまた東京公演から公演を再開するのかはわかりませんが、最後のお姿をしっかり観に行けたらいいな。



キャスト別感想

ここからはその他のキャストさんで印象に残った方をピックアップしました。

白妙なつ

冒頭の♪天の贈り物はさすがの美声で一気にその世界観に引きこまれました。中国語の歌詞もなんのそので。次期副組長に内定していらっしゃいますが、これからの活躍もますます楽しみだなと思いました。

天寿光希

人の心は移ろうもの、の筆頭として描かれていたのかなと思うのですがどちらかというと「真か偽りかを決めるのは人の心次第」の方のテーマに合わせた役作りだったなと感じました。

よくよく見返すと最初から慶梁は出世に執着するような台詞があったり、礼真が冷酷になれないことにちょっと不満げだったりするんですよね。

慶梁が変わったのではなく礼真が変わったのだ。そのことを映し鏡の如くこちらに気付かせてくれるてんてんの演技の緻密さに改めて脱帽。いつも舞台をきゅっと締めていて星組には欠かせないお方ですよね。

音波みのり

今回の役どころは周の巫女・敏麗。宣王に眩耀の谷について吹き込み、汶族討伐のきっかけともなります。

前回のロクモではがははと口を開けて笑うちょっと下品な母ちゃんって感じだったのが、今回はぴくりとも笑わない。はるこちゃんの振り幅の大きさを感じました。

だからこそ余計に、もう少し脚本的に役が掘り下げられていたらはるこちゃんの良さがもっと活かせたのに、とちょっと口惜しくもありました。

ひろ香祐

今回ヒーローがかなり目立っていて嬉しかったです。汶族を取りまとめるお姿に貫禄すら感じられて。そう言えばもう研12だったんだなと思い出しました。

特に印象に残っているのは最初のシーンで真ん中で踊っていたこと!そのおかげで今回初めて気付いたのですが、ことちゃんと体の使い方がすごくそっくりで驚きました。ひねりが入ったりパシっと写真を撮るみたいに一時停止する瞬間があったり…とにかくすごく似てるんです!

いやあ、なんで今まで気付かなかったんだろう。ことちゃんと2人でがっつり踊るのとか見てみたいな。

綺城ひか理

今回から本格的に星組生としてデビューされました。去年、花組生として最後の公演となった「A Fairy Tale/シャルム!」を観劇したのですが、その時は他の若手さんと一緒に団子状態で正直あまり目立つ場面もなく…。

だから、今回の舞台を拝見してびっくり!こんなにも存在感があって男らしくて歌も上手い方だったなんて。てっきり同期のひとこちゃん(永久輝せあ)が花組に来るから左遷的な感じかと思っていましたが、これはまだまだ期待できそう。そして、場所さえ与えられたら輝ける方が宝塚にはまだまだ沢山いそうだなと思いました。

有沙瞳

今回は語り部という役どころでしたが、滑舌もよくて聞きやすかったです。でもくらっちの実力を考えるとちょっと勿体ない使い方な気も…雪組時代の伯爵令嬢ばりのやつをもう一度観てみたいなと改めて思ってしまいました。

勘の悪い私は最後まで彼女が何者かに気づけなくて、おお!と感動したのですが…欲を言えば、くらっちが正体を明かす台詞で幕となるわけなのでもう少し強調した台詞回しでもよかったのかなと思いました。

天華えま

今まで新人公演で主演をしたわりには本公演で今ひとつ目立つ役がまわってこなくて、やきもきしながら彼女のことを見ていたのですが今回はそれなりに台詞も見せ場もあって!

特にあかちゃん演じるカイラとのコンビネーションがよかった!慶梁を倒しに行く前に言葉を交わさずともお互いのこの先の行動をわかり合っている感じにきゅんとしてしまいました。

小桜ほのか

前回私が彼女を見たのがロクモでこれが準ヒロインというか、物語にがっつり絡んでくる役どころだったので今回はちょっと物足りなく感じてしまいました。

やはり本公演で娘役さんが目立てる作品ってあんまりないですよね。ですが、物語に直接関わらなくても見せ場はしっかりとあってよかった。♪周国の掟では中国風の独特の歌い方を再現していて素晴らしかったです。

その後の長い布を使った舞も素敵でした。以前私もダンスをちょっとかじっていて似たようなことをやったことがあるのですが、布が綺麗になびくようにするのって結構難しいんですよね。それもあって思わず見入ってしまいました。

極美慎

かりんちゃんはやっぱり顔がいいな…。もうドストライクすぎていつも顔の感想から入ってしまいますw

今回かりんちゃんが演じたのは汶族のイムイ。本公演では過去最高に歌もあったし、台詞も多かったけれど今ひとつぱっとしなかったのは何故だろう…。

アルジェの男のアンドレとか、ロクモのジュースマイヤとかを見ていると彼女はもっとできる人だとわかっているからこそ、もやもや感が拭いきれない。

役自体がその他大勢になりがちなところではあったので、かりんちゃんだけでなく汶族のメンバー全体にもっとはっきりとキャラクターがあったらよかったのかな。とはいえイムイは最後まで礼真に敵意を抱いているというのは特徴的でした。

アンドレを彷彿とさせるような礼真を皮肉るような表情にはどきっとさせられました。

天飛華音

めちゃくちゃオイシイ役でびっくり!星組でこういう抜擢のされ方をする下級生って久々な感じがします。何ならかりんちゃんより目立っていたなと個人的には思いました。

「姉者、姉者」って言うのがとにかくかわいくって。アルジェの時の「アニキ」と同じ類いのかわいさ。かのんくんに少年役をやらせたらピカイチですね。

新人公演では打って変わって謎の男を演じたということで、お写真拝見した感じだと意外とお髭も似合っていて。ちょっと映像でも見てみたいかも。ここからどんな男役さんになっていくのか楽しみです。

おわりに

さて、キャストごとに感想を語ってきましたがいかがでしたでしょうか?脚本についてはかなり文句を言ってしまいましたが、気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ないです。

この公演から新たなトップコンビが誕生したわけですが、組子全体の熱量も高くてこれからの星組が俄然楽しみになりました。

ことちゃんファンとしては、紅ゆずるさんのお力で組としていい状態に温まっているのをそのまま引き継げたことはすごく幸せなことだったなと改めて感じました。星組での生え抜き同士の引き継ぎは35年ぶり?とのことで。なかなか無いことなのでありがたいですよね。

同時に上演されたショー「Rayー星の光線ー」の感想も書く予定ですのでお楽しみに!それではまた。

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ABOUT ME
zukacoto
宝塚が大好きな大学生。 初観劇は2006年雪組全国ツアーのベルサイユのばら。現在の贔屓は星組トップスター礼真琴さま。 プロフィール詳細はこちら

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