観劇日記

星組「エル・アルコンー鷹ー/Rayー星の光線ー」を観劇する①お芝居編【感想】

こんにちは、zukacotoです。

先日の3連休で星組のエル・アルコンー鷹ー/Rayー星の光線ーを観劇したので、今日は感想をお話したいと思います。

本当に運良く1枚だけB席のチケットが当選しまして。ことちゃん(礼真琴)の大ファンであると同時に、エル・アルコンという作品の大ファンでもある私、大歓喜でございました。

 

おことわり

まず、最初におことわりさせて頂くことがあります。

このブログに何度か遊びに来て下さっている方はご存じかと思いますが、私は普段は東京の劇場を中心に観劇をしている人間です。

このことからもだいたい察して頂けるかと思いますが、梅芸に行くには新幹線か飛行機かというところに住んでおります。

このご時世での遠征については様々なご意見があると思います。私も重々悩み考えた末での決断だったことをご理解頂ければと思います。

また、マスクや消毒はもちろん、2週間前から外出を必要最低限に留め、会食は控えるなどの対策を講じた上での観劇だったことをおことわりさせて頂きたいと思います。

エル・アルコンー鷹ー

まずはエル・アルコンの感想から!

この作品は青池保子氏による「エル・アルコンー鷹ー」「七つの海七つの空」という漫画をぎゅっと詰め込んだような作品になっています。

2007年に安蘭けい・遠野あすか・柚希礼音らによって初演されました。

当時、小学生だった私もありがたいことに観劇させて頂きまして。壮大な世界観と愛憎渦巻く人間模様、そしてジブリの「ゲド戦記」などを手がけた寺嶋民哉氏による数々の名曲に魅せられ、DVDも何度見返したことか。

真ん中3人の歌唱力も素晴らしさも印象的で、オープニングで歌う♪エル・アルコンー鷹ー♪七つの海七つの空はしっかりと今もスマホに入れています。

そんな、私自身思い入れのある作品を、我がご贔屓さまも愛し慈しんでいることを知ったとき、自然と礼真琴で、エル・アルコン再演を。との思いが湧き起こりました。

でも、まさか本当に実現するなんて。今でも夢を見ているかのようです。

それにしても、礼真琴という人の”夢を叶える力”は本当にすごいなと思います。

退団したら、ぜひとも本を出版しましょう。笑

さて、噂の開演アナウンスですよ。

”ティリアン仕様”に低く作られた色気ある声に、私もドキッとさせられました。好きな人の、いつもと違う一面を見せられたようで。

と、同時に礼真琴がこの作品にかける思いも垣間見えた気がしました。

作品全体の感想

作品全体としては、歌、歌、歌のオンパレードですが、歌唱力の破綻した方が全くいらっしゃらないというのが印象的でした。

そして、この作品はとにかく登場人物が多いのが特徴。

反面、それぞれの役として出る時間が少なめになってくるので、役としての出番がない時間は上級生に至るまでが”バイト”をすることで、なんとか成立させていましたね。少ない人数でよく回していたと思います。

また、この作品は場面転換が多く、初演ではセリや盆、銀橋や花道をふんだんに使って海戦シーンなどを表現していたのですが…。

梅芸で一体どうするつもりなんだ?と結構、かなり、だいぶ心配していました。

しかし、パネルを使ってその後ろに隠すという方法で、人物を捌けさせたり登場させたり、大道具を出したり引っ込めたりしていて。

ヨシマサ(齋藤吉正先生)、上手いことやりおる!と感心してしまいました。

とはいえ、やはりこの作品は大劇場でこそ魅力を発揮できる、と思ったのも正直な感想です。

盆を回してセリを上げ下げしてドッカンドッカンと大がかりにやった方が迫力は出ますよね、やはり。せっかく再演するなら大劇場3作目とかでやればいいのに、と以前からブツクサ言っていましたが、その思いはより一層強くなってしまいました。

そして、初演から大きな変更点はなかったものの、ちょいちょい台詞が変わったり足されていたりしたところもあり。

いや、ヨシマサよ、なぜ心の声を増やしたんだーーーー!

確かに、エル・アルコンは展開が早くて予習なしだと付いて行くのが大変、という難点はあるので、そこを改善しようと付け足したのかなと思いますが、私としてはかえって説明しすぎな感じがしてしまいました。

特に残念だったのは、ジェラードが父親かもしれないということを、わざわざティリアンの心の声で説明してしまったこと。

敢えてはっきりとはさせないことで、色々想像する楽しみ、というか余白、というか余韻というか。そういうものを奪われてしまった感じがしてしまったんですよね。

でも、そこだけかな。思うところがあるとすれば。

基本的には初演を踏襲してくれていたので、初演ファンの私としては嬉しいことでした。

礼真琴:ティリアン・パーシモン

さて、ここからはキャストごとに印象に残ったシーンなどをお話していきたいと思います。

まずは主人公、ティリアンを演じたことちゃんから。

全体としては…とにかく声がいい

♪エル・アルコンー鷹ー♪七つの海七つの空♪宿命♪ミッション

大好きで大好きで繰り返し聞いた名曲を今ことちゃんの声で聴けるという喜びと言ったら!幸せ以外の何物でもなかったです。

そして、歌は当然ながら、いつもより低めに作った声で紡がれる台詞がなんとも心地良い。役に合わせて声調を変化させられるというのは、ことちゃんの役者としての強みですね

メイクはいつもより色使いを抑えめに。黒髪の長髪も思いの外似合っていて素敵でした。顔に少しかかる前髪が何とも色気があって、ひゃっと思わず変な声が出そうになりました。

さて、肝心の役作りについてですが…。

とうこさんが冷徹さ、クールさを押し出していたのと比較して、ことちゃんは燃えたぎる野心が強く出ていたのが印象的でした。

何というか…野望への執着度合いがアップしていたというか。サラッとクールに、というよりはねちっこく夢を追いかけるという感じ?

色気、という点でもとうこさんが”セクシー”だったのに対して、ことちゃんは”エロティック”。…このニュアンスの違い、きっとご覧になった方には頷いて頂けるはず。笑

鋭い眼光はまさに獲物を見据えるが如く。大海原を駆けるという野心を追う獰猛な鷹が確かにそこに存在していました。

ことちゃんで印象的だったシーンはペネロープを刺し殺す場面。

え、そこかよ!?って感じかも知れませんが…。

甘い声でささやき、ティリアンには珍しく微笑みすら浮かべ、ペネロープを抱きとめるのですが、その下で顔色ひとつ変えずにブスッとやってしまうわけですよ。

その後の、

「メロドラマの終結だ。」

という台詞の言い方がとても印象的でした。上手く説明できないんですけど、なんかめちゃくちゃ好きだったなあ。

ティリアンと言えば他にもラブシーンが沢山あるのも特徴ですが、どれも何か妙にエロくてですね…。

えー、顔が熱いでございました。(日本語どうした)

血管の浮く綺麗な手と、それから伏し目が元凶ですね、多分。とっても危険で素敵なティリアン様でした。

舞空瞳:ギルダ・ラバンヌ

なこちゃんがギルダをやる、ということで1番心配していたのは歌でした。初演の遠野あすかさんはとにかく歌がお上手だったので。

しかし、驚きました。

ギルダ役をやるということで、きっと猛特訓したのだろうというのがはっきりとわかるくらいの大成長を遂げていらっしゃいました。お腹から力が入るようになって、迫力がありました。

ティリアンに果敢に向かっていく姿も凜々しくて。もうすっかり星娘だなあと、星組ファンとしては嬉しかったです。

特に印象に残ったのは♪愛と憎しみの狭間にの場面。

トップ娘役に就任して1年、一曲をひとりで歌い上げる力もすっかり身について頼もしいなと感じると共に、過去を振り返り感傷に浸る姿がなんとも切なくて…。

それまでの姿がとても毅然として勇ましかっただけに、ギルダが愛に揺れ、弱さを見せるのがグッと来てしまいました

それにしても、この幼なじみエピソードはヨシマサのオリジナルと伺ったのですが、初演では取って付けた感が強かったのが、何故か今回はとても印象的なエピソードに感じられました。

初演版ではただティリアンが海を見つめて佇むだけで、いじめられるシーンは無かったような気がするのですが、そのためでしょうか?

愛月ひかる:ルミナス・レッド・ベネディクト

愛ちゃんは久々の白い役ということで!

確かに、アルジェの男のジャックとか、神々の土地のラスプーチンみたいな感じの役が多かったですもんね。

私もそういうイメージが付いてしまっていたし、それにことちゃんより上級生だし、体格もいいし、ことちゃんがちゃんと強く見えるのか、愛ちゃんが弱く見えるのか、というのは少し心配していたのです。

ですが、全く問題なかった!

♪プリマスで登場したときのキラキラ感と言ったら。

ことちゃんとのデュエット♪宿命も印象的でした。意外にお二人の歌声って合うんですね。これは新たな発見でした。

そして、例の顎クイもばっちり拝見しましたよ。くうう、素敵でした、お二人とも。

愛ちゃんは前回の公演の時もそうでしたが、「私がこうすることで、こっちゃんがこう見えるから。」といった感じで、自分の役割を冷静に捉えて的確に表現していらっしゃって。

確かに、今回だったら愛ちゃんが真っ白であればあるほど、ことちゃんの真っ黒さが際立つといった側面がありますよね。

下級生のもとで2番手をやるって、私だったら色々複雑に思ってしまうと思うのですが、愛ちゃんはすごいな、さすがだな、と感心してしまいました。

綺城ひか理:ジェラード・ペルー

ティリアンが憧れる存在、ジェラード・ペルー。

ティリアンの野望の始まりはこの人のこの言葉がきっかけでした。

「君の野心のままに生きてごらん、ティリアン、君にはそれが出来るはずだ。」

初演のしいちゃん(立樹遥)がめちゃくちゃ素敵だっただけに、あかちゃんだとちょっと弱いかな、と思う部分もありましたが奮闘していたと思います。

特に、この度専科として初めて舞台に立たれた万里柚美さんとは恋仲であるという設定ですが、学年差があるにも関わらず横にならんでも全然違和感がなかったのには驚きました!

あかちゃんの男役としての包容力を感じた瞬間でした。

天華えま:エドウィン・グレイム

憧れの”琴さん”の親友役ということで、ぴーすけにとっても挑戦だったと思いますが…。

「硬派なのはいいが、損するぜ。」

とティリアンに忠告する姿は、まさに親友を想うそれで。

その後、ティリアンに嵌められてペネロープを奪われ、ティリアンを疑っていくことになるのですが。

レッドと同じようにティリアンを恨み、追いかけるシーンが追加されていたということもあって、初演よりもエドウィンの比重が高くなっていたのが印象的でした。

すっかりぴーすけも頼もしくなって、これはロミジュリのマーキューシオも楽しみだなと期待を膨らませています。

天飛華音:キャプテン・ブラック

かのんくんはわりと少年役が続いていましたが、今回は大人の男ということで。

黒服もよくお似合いでしたし、学年差があるので愛ちゃんの兄貴分に見えるのか、いう懸念も全くの無駄でした。堂々たる台詞回しにこれは将来有望だ、と感じずにはいられませんでした。

大海原の荒くれ者、言わば少年ジャンプの主人公、みたいな感じで若いエネルギーで突っ走っていく感じがよかったです。

残念ながら、B席からは例の薔薇をくわえた登場シーンは見切れてしまったので、DVDでチェックしたいと思います。

その他

ここからは、香盤順に感想を!

万里柚美:イザベラ

柚長のお役の中で1番好きだったのがこのイザベラ様でした。13年ぶりに再登板ということになりましたが、変わらぬ美しさが印象的!と、同時に懐かしさも感じました。

「オレンジ畑に夕日が落ちる光景は、まるで夢のように美しいそうよ。」

この台詞が大好きすぎて、いつかスペインのオレンジ畑で夕日を見たい、とまで思うようになってしまった私。今回もとっても印象的なシーンになっていました。

白妙なつ:女王エリザベス

今回の公演から副組長となったなっちゃん。

少し癖のある歌も見事に歌いこなしていました。トンチキ感のある歌(失礼)ですが、とっても楽しい歌に仕上がっていました。

初演よりもドレスの襟の大きさが随分デカくなっていましたが、着こなしてしまうのもさすがです。

音波みのり:シグリット・シェンナ

振り分けが出た時から、はるこちゃんには絶対にシグリットを!と思っていたので嬉しい配役でした。そして、実際に見てからもやはりぴったりな配役だと心の中でニンマリとしてしまいました。

まず、ブルーのドレスがよくお似合いで、デコルテの美しさが目を引きました。

原作ではシグリットはティリアンの初めての相手として描かれているそうなのですが、まさにそんな感じのお姉様としてそこに存在していらっしゃって。

ティリアンにそっとキスをするのが何とも色っぽくて素敵でした。

琴ティリアンも「鬱陶しい女だ。」とか言いながら、なされるがままというのが2人の関係をよく表していて好きな場面です。

ひろ香祐:マスターズ

ヒーローはもっと老け役的なところに配役されるかと思いきや、まさかのマスターズ!これは嬉しかったですね。

♪ミッションなど、ティリアンとのシーンも多くて我得でした。

何でだろう、ことちゃんにヒーローがついてくれているという安心感ってすごいんですよね。これからも長く長く活躍して欲しい方です。

紫りら:バーバラ

初演よりも少し場面が増えていましたね。

バーバラがペネロープをすごく大事に、可愛がっているのが感じられました。それだけに、ペネロープが殺されてしまったあとの歌が切実なものに聞こえて。

ちなみに初演でバーバラを演じていたのが最近振付で大活躍している百花沙里先生。

星組だとESTRELLASの♪Backもももさりでしたね。

今回のエル・アルコンでも振付で入っていらっしゃるとのことで、当時を知る私としては胸熱でした。

有沙瞳:ペネロープ・ギャレット

はるこちゃんのシグリット同様、ペネロープはくらっちしかいない!とこれも切望していた配役。イメージ通りで嬉しかったです。

しかも、私が想像していたよりもずっと初演の琴まりえさんにそっくりで。声質もお顔立ちも、お嬢様らしいツンとした感じも。神配役だったと思います。

ぴーすけとの同期コンビでのお芝居も素敵で、切なくて…。ティリアンと何があった、と聞かれるあの一連のシーン、すごく大好きな場面です。

桜庭舞:ジュリエット・グリンウッド

ジュリエットもまた、やるならまめちゃんしかいない!と切望していた役。

まめちゃんも初演の稀鳥まりやちゃんに歌声が少し似ているんですよね。

♪乙女心がピンクに染まると歌う場面は最高にキュートで、エル・アルコン唯一の心が安まる時間。突然ピンクのミラーボールまで回っちゃって、ちょっとウケました。

レッド演じる愛ちゃんとの並びも案外お似合い。これも新しい発見でした。

二條華:ティリアン(少年)

ティリアンの野望の原点とも言える少年時代を演じたにじょはなちゃん。

正直、何故にじょはなちゃんが?と思っていましたが観劇して納得。

最後のシーンでことちゃんとのデュエットがあるから、なんですね!

今まで取り憑かれたように、半ば縛られたように躍起になって追いかけてきた野望から解放されたティリアンが真っ白な衣装で現れて、少年ティリアンと歌うのですが。

にじょはなちゃんの無垢な笑顔が印象的で、思わず涙。お二人の歌も相まって感動的なシーンになっていました。

咲城けい:ニコラス・ジェイド

咲城けいくんがティリアンの従者、ニコラス役に大抜擢!

初演で演じた綺華れいさんの彫刻のような美しさが印象的すぎたのですが、咲城くんは原作により近い少年性を活かした役作りに。

これは、ティリアンが可愛がっちゃうのも無理ないな、なんて。とにかく可愛かったです。

そして、こんなに可愛いのに、裏で何食わぬ顔して人を殴ったり殺したりしちゃってんのも、ギャップ萌えでした。

おわりに

今回は「エル・アルコンー鷹ー」の感想をお話してきましたがいかがでしたか?

ショーの感想も一緒に書こうと思っていたのですが、想定よりも長くなってしまったのでここで一旦切り上げたいと思います。別記事で改めてショーについて書きますね。乞うご期待!

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zukacoto
宝塚が大好きな大学生。 初観劇は2006年雪組全国ツアーのベルサイユのばら。現在の贔屓は星組トップスター礼真琴さま。 プロフィール詳細はこちら

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