観劇日記

星組「眩耀の谷〜舞い降りた新星〜/Ray-星の光線-」観劇レポ

こんにちは、zukacotoです。

先日、ありがたいことに星組東京宝塚劇場公演「眩耀の谷〜舞い降りた新星〜/Ray-星の光線-」を観劇することができましたので今日は感想をお話していきたいと思います。

この公演は新トップコンビ礼真琴・舞空瞳のトップお披露目公演となります。私事ながら贔屓がその新トップスターの礼真琴さまということもありまして、感想がどうしても偏ると思いますが予めご了承下さいませ。笑

劇場の感染対策などについても最後にお話していますので、これから観劇されるという方は参考にして頂ければと思います。それではスタート!

幻想歌舞録「眩耀の谷~舞い降りた新星~」

「眩耀の谷~舞い降りた新星~」は宝塚のOGでもある振付家・謝珠栄が初めて脚本を手がけたオリジナル作品。紀元前の中国を舞台にした幻想的な歴史ファンタジーです。

周国の大夫・丹礼真(礼真琴)が汶族の聖地である「眩耀の谷」の探索を命じられるところから物語は始まります。祖国のため、と真っ直ぐに己の務めを果たそうとする礼真でしたが、汶族の人々との出会いが彼の運命を変えていくことになります(詳しいあらすじは公式HPでご覧頂けます)。

さて、既にBlu-rayを観た感想は書いておりますので、今回はBlu-rayでは気付かなかったことやBlu-rayの時から進化していることを中心に書いていきたいと思います。

群舞と舞台装置の美しさ

Blu-rayを見た時からきっと生で観た方が群舞が映えるだろうなとは思っていましたが、思っていたとおりでした。すごく綺麗で迫力も満点。脚本的にはあともう一歩、と感じることもありましたが振付はやはりさすが謝先生です。

特に幕開きの汶族の場面は素晴らしかった。久々の観劇とあって私も高揚していましたが、星組の方々のパワーを感じてぐわーーっと体が熱くなるのを感じました

はじめは白妙なつさんの中国語での歌が一気に世界に引きこんでくれます。群舞ではBlu-rayを見た時もそうでしたが、やはりヒーロー(ひろ香祐)が最高にキレッキレでつい目で追ってしまいましたね。

さて、生で観た方が映えるというのは群舞だけではありません。舞台装置の美しさには特に目を見張るものがありました。

Blu-rayではなかなか全体を映すということが難しいので気がつかなかったのですが、舞台のまわりのセットに蝶が舞う様子を映像で表現したりと細部にまで世界観が作り込まれていて。

何よりも礼真が母を思って♪舞い降りる星を歌うシーンの美しさは今も目に焼き付いて離れません。映像で見るよりも一層星々がキラキラと輝いて見えて…。それが花道の方にまで続いているので、観ているこちらも本当に星空に包まれたような心地がして。綺麗だったなあ。

オーケストラがないのがさみしい

感染対策ということで、いつもの生オーケストラは封印。録音での公演となりましたが、やっぱり少しさみしいですね…。

ですが、録音でも有り余る迫力を感じました。皆さんの歌のパワーにただただ圧倒されました。

今回の眩耀の谷という作品は特に、台詞の間に歌が入ったり、その逆があったりするのできっかけがないとかなり大変だと思いますが…皆さん完璧でしたね。音響さんとのチームワークも抜群ということでしょうか。

(しかし最近はどうも毎日のようにマイクトラブルの話が聞えてきます。私が観劇した時は特に何もありませんでしたが、一度点検などした方がよいのでは…。)

礼真琴が生きる一人の男の人生

この話はそもそもはじめに春崇の台詞にあるように、”一人の男の物語”です。そう、礼真の物語なのです。主役だから当たり前ではないか、という気もしますがここまで中心になる話も珍しい気がします。

とにかく全てが礼真目線で話が動くのです。

そして、相手の心情が語られることはあまりないんです。例えば、スカーレット・ピンパーネルだったら、パーシーがいないところでマルグリットが色々と思いをこぼしたりする歌があったりするじゃないですが。だからこそ、観客は二人のすれ違いをもどかしく思ったりもするわけです。

しかし、この眩耀の谷という話にはそういったことが一切と言っていいほどないんです。

皆が思いをこぼすのは全て礼真の前で、なのです。

そのためか、ことちゃんが話を動かしている感がすさまじかった。物理的に出番も多いし、台詞も長い。ですが、ことちゃんはそれをいとも簡単にひょいとこなしているようにも感じました。

やはり今までの経験が生きているのでしょうか。長台詞も抑揚をつけて飽きさせず、全体を通しても基本的に悩み苦しむシーンが多い中で、例えばせおっち(瀬央ゆりあ)とのシーンで少しクスリと笑えるような要素を取り込むことで物語の流れを作っているのを感じました。

そうやって作り込んでいくことで、痛々しいまでの理想を抱く真っ直ぐな青年が真実を知り、葛藤しながらも自らの道を見定めていく。そんな1人の男の人生をしっかりと見せていたと思います。

最後のシーンの長台詞は特に引きこまれました。汶族の皆が礼真に付いて行こうと思わせるに足る迫力を感じました。Blu-rayでも感じましたが、最初のシーンと最後のシーンでは顔つきがまるで違うのです。礼真琴の芝居の真髄を観た気がしました。

最初と最後で違うのは、お芝居だけではなく歌もそうでした。歌が得意だからこそ、歌で表現出来る幅も大きいのがことちゃんの強みです

そして、先述したように台詞から急に歌に入ったり、その逆もしかりですが、そういうことがかなりあるのに全くもって無理がないのが印象的でした。

なんというか…「今から私、歌います」感がないんですよね。台詞を話すときと同じテンションで歌ってくれるので、見ているこちらも非常に心地がいいんです。

好きな歌はたくさんありますが…まず挙げるならば登場シーンの歌でしょうか。礼真の純粋なまでの希望が現れたような透き通った歌声が印象的でした。それが最後のシーンの歌ではお腹の底から出したようなたくましい声に変化するのもまた印象的。

そして、意外と私がハマっているのがせおっちとのデュエット曲。声の相性が本当によくて、いつまででも聞いていられる。こんなに相性よかったんだ!?という新たな発見でもありました。いつかがっつりせおっちとの親友役を見てみたいです

その他のキャストについて

なこちゃん(舞空瞳)は1本調子気味だったお芝居もだいぶ抑揚がついてきた気がします。ただ、役柄的に難しいのかもしれませんが、何となくあまり印象に残らなかったなあ。もっとヒロイン然とした役立ったら力を発揮できたのかもしれません

つくづくお披露目向きではない役ですよね…。次のギルダとジュリエットはやりがいのある役でしょうから、そちらに期待です。

愛ちゃん(愛月ひかる)はさすがの貫禄。特に礼真との銀橋でのシーンは見応えがあります。礼真は管武将軍があんなこと言うなんて…とショックを受けていますが、別に彼は最初から同じなんですよね。

長いものに巻かれるのもまた人の生き方だよなあ、なんて

ただ、やはり残念なのは瞳花とのシーンが一切なかったこと。これがあればもう少し愛ちゃんとしても演じ甲斐があったような気がします。

せおっちは意外とああいう役が似合うらしい。この男は誰なんだ?とグイグイ引き込ませてくれました(いや、BluRay観ちゃったから知ってはいましたが)。そんな、正体を知りたくなっちゃうような魅力的な人物に仕上がっていました。

メインキャスト以外だと印象に残ったのはみっきー(天寿光希)の役。思えば慶梁は最初から出世したいという思いを持っているんですよね。きっちり伏線になるように、度々こちらをチクリと刺してくれる感じがさすがです。

汶族ではあかちゃん(綺城ひか理)とぴーすけ(天華えま)の組み合わせが好きです。慶梁を矢で射るシーンとか特にいいですよね。言わなくても考えてることわかるぜ、っていうコンビ感がたまりません。

意外とキャラ立ちしてるのがイムイ。かりんちゃん(極美慎)はわりと最後まで礼真のことあんまよく思ってないんだよねえ。憎しみ、怒り、悲しみを秘めた表情で礼真を見つめるのが印象的でした。

Show Stars「Rayー星の光線ー」

眩耀の谷でもそうでしたが、やっぱり映像と実際で観るのとでは全然違う。そのことを強く感じたショーでした。

タイトルの”Ray”はただ礼真琴の礼にちなんだもの、というだけでは無くて、光を楽しむショーなのだということを実感した気がします

Jaijin Chung先生が手がけた映像と、宝塚ならではのキラキラとした照明とが重なってすごく綺麗で…。ただ、とにかく電気代がかさみそうでちょっと心配。

あれ、宝塚ってこんなにキラキラしてたっけ?

久々に観たからなのか、ただ本当にいつもより光量があるのかはわかりません。ただ、とにかく映像と照明のコラボレーションを楽しませてもらいました。

Blu-rayだとわからなかったけれど、実際に観るとちょっとだけ3D感もあって一緒に宇宙を旅したり、瞳に吸い込まれそうな感覚に陥るんです。それも面白かったです。

プロローグ

まずはことちゃんの登場シーン。ここはJaijin Chung先生の映像が特によく活きていたシーンの1つでもあります。実際に舞台で観ると、ことちゃんから無数の光線がぶわっと放たれているような映像が映し出されていて。

とにかくまぶしかった。

ああ、トップスターになったんだ、と実感できたというか。

そして始まるスーパー礼真琴タイム。狭いセリの上で爆踊りするものだから、落ちやしないかこっちがヒヤヒヤしてしまうくらいでした。笑

でも、あれでこそことちゃん。私の血が全身を駆け巡り、ジーンと熱くなるのを感じました。ことちゃんのダンスが私はたまらなく好きなんだと再確認。

そして、驚いたのは衣装。あのパープルのロングコートの衣装が写真や映像で観たのとは比較にならないくらいキラキラ輝いていて!照明が反射してとにかくキラキラ。まじでキラキラ。これでもかというくらいキラキラ。

うわー!トップさんになったんだ!とここでまた感動してしまいました。

そして、客席を釣るような、俺を見ろ!とでも言うような挑戦的な笑みが魅力的。自分の歌声に酔ったかのような表情を見せるのも最高でした。

Ray夢

ブライアント先生によるタンゴの場面。振り数が多くてきっと皆さんご苦労されたんだろうなという印象を受けました。

が、やはりことちゃんは一際キレッキレでした。

対角線上になこちゃんと舞台前方に出てくるところと、ヒーローとかりんちゃんと3人で踊るところが特に好きです。

キレッキレと言えばヒーローもキレッキレで見ていてスカッとします。この二人についていかなければならないかりんちゃんは大変だったと思いますが、頑張っていたと思います。

スピリチュアル

私、ある人の色気に心臓を射抜かれてしまいました。

そのお方とはぴーすけ(天華えま)!!

前髪がいい感じに目にかかっていてすごく色っぽくて…。キュンキュンしました。いつの間にそんなに色気なんか出せるようになったのよ!?成長を感じて嬉しかったです。

霊鳥

中詰はやはり映像で見た時も思いましたが、それ以上にど派手でキラキラとしたセットが印象的でした。中国風の衣装も星組らしくて素敵。

特に男役さんが銀橋にずらりと並ぶところはもうかっこよすぎてかっこよすぎて。目がいくつあっても足りないとはこのことです。

ことちゃんが現れて「ダダダ~」と歌うところ。少年っぽい、子供っぽいと言われてきたことちゃんもいつの間にか色気ムンムンに出すようになりましたよね。伏し目がちにスペイン帽からのぞかせる目元がたまりません~!

そして、タンゴのシーン。あの高難度の技ですよ。なこちゃんとの息もぴったりで。なこちゃんの表情もハッとするほど大人っぽくて素敵でした。ぜひとも次は長尺でことなこのタンゴを見てみたいです。

中詰が終わるとあかちゃん(綺城ひか理)とくらっち(有沙瞳)のデュエットとなりますが、私が観劇する2日前程にあかちゃんの声の調子がよくないということで歌のシーンだけ代役が入っていたようだったので心配していたんです。

ですが、私が観劇した時はご回復されていつもの素晴らしい歌声を聞かせてくれました。とにかくあかちゃんとくらっちがすごくお似合いで…。映像と相まっておふたりの世界にぐっと引きこまれました。

フィナーレ

フィナーレはぴーすけとかりんちゃんから始まります。お二人にとっては一人で銀橋で歌うというこの上ないチャンスと経験だったと思います。

大劇場を経て、気負うことなくより自然体のお二人を見ることが出来た気がします。お二人とも歌もお上手で!新生星組には歌える人ばかりで頼もしい限りです。

と!出てくるかわいらしいピンクの生き物。なこちゃんのプリンセス感は天下一品ですね。きっとジュリエットもすごくお似合いになるんだろうなと楽しみになりました。

続く黒燕尾。ことちゃんの登場の仕方がかっこよすぎてズッキュンでした。そして、♪南に燦然とと歌う声は力強く。ことちゃんの歌は本当にバリエーション豊かで聴いていてとても楽しいです

黒燕尾のオラオラ感から打って変わって♪YOU ARE MY SUNSHINEを歌うところなんかそれがよくわかるシーンだと思います。

肝心の黒燕尾はもう感無量。堂々と星組の皆さんを率いて踊ることちゃんの姿がすごく頼もしかったです。「フッ」の言い方も完璧!皆さん振りもすごく揃っていて素敵でした。

デュエダンはことちゃんの好きな赤と黒のお衣装。観劇して気付きましたが黒の部分はシースルーなのですね。ことちゃんが娘役のスカートかと思うくらいすごく綺麗に裾をひらひらとさせていたのが印象的でした

そして、透き通った綺麗な歌声で♪君と踊ろう永久にと歌うとなこちゃんがせり上がってきます。お二人があんまりお幸せそうなお顔をしていらっしゃるので、こちらまで幸せな気持ちになりました。

その他の感想

まず、全体を通してなこちゃんの歌唱力の上達がすごく感じられました。前はスカッと空気が抜けたような歌い方だったのが、腹の底から声がでるようになっていて。自粛中にきっとお稽古されたのだと思います。

ジュリエット以上にギルダの歌がかなりの難曲揃いなので、少し心配もしていたのですがこれなら大丈夫だと思います。

私が最近注目しているかりんちゃんですが、私が座っていた下手側によく来て下さってたくさん見ることができました。お顔が小さくて、スラッとしていて頭身バランスがまじでやばい。知ってはいたけどお近くで拝見するとめちゃくちゃ頭が混乱します。笑

まだ客席に対して少し照れも見られるので、ことちゃんからオラオラ芸(?)をたくさん吸収していってほしいなと思います

劇場の感染対策について

ここからは簡単に劇場での感染対策についてお話したいと思います。

ます、劇場に入ると検温をします。画面に顔を向けてOKなら緑に光ります。次にチケットの確認。私は友の会のカードで入場をしたのですが、係の人の案内に従って機械にかざすと座席表が出てくる仕組みになっていました。

その後、アルコール消毒をして無事に入場となります。この時のアルコール消毒は自動で出てくれる仕様になっていました。

入り口には医療関係者か、保健所の人か、とにかく白衣の人が常駐していらっしゃるようでした。

さて、ここからは特に順路などは設定されていません。

入り口右手のカウンターではいつものようにプログラムを購入することができます。キャトルは整理券が必要なので、プログラムだけを買いたいという方はこちらでご購入されるとよいと思います。

7月1日から全国でレジ袋の廃止が進められていますが、試しに袋がもらえるか聞いてみたところ、こちらもいつものようにもらうことが出来ました。プログラム用にわざわざエコバックを持って行かなくても大丈夫です

ただし、同カウンターではオペラグラス、ブランケットの貸し出しは取りやめとなっているようです。

客席は噂の通り基本的にはすごく静かでした。が、移動して雑談している方もちらほらいらっしゃいました。私が見た人は久々に知り合いと会った、といったご様子でしたのでお気持ちはわからないでもないですが…。できれば広いところでやってほしいなと思ってしまいますね。

オーケストラの音合わせが無い代わりに小さくすみれの花咲く頃が流れるのが開演の合図。開演前の係員の声がけはなく、ボードを見せて回るに留まりました。

お手洗いの行列が心配でしたが、きちんと床に立ち位置が示してあって距離を保てるようになっていました。お手洗いの出入り口にはアルコール消毒が設置されていました(こちらは手動のポンプ式でした)。

帰りは混雑しないように席によっては待たされます。2階と1階席15列より後ろの列の方が先に退場することになります。1階14列までの人は2~3分ほど待つことになるのでお急ぎの方は注意です。しかし、そのおかげかいつものような渋滞は緩和されていたかなと思います。

おわりに

さて、今回は星組の観劇レポをお送りしてきましたがいかがでしたでしょうか?

久々の観劇ですごく楽しくて、やっぱり宝塚が好きだと言うことを再確認できたと同時に、長年応援してきた方の大羽根姿を直に拝見することができて大変嬉しかったです。

Blu-rayを見た感想はこちらに書いているのでよければ併せてご覧下さい。それではまた!

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zukacoto
宝塚が大好きな大学生。 初観劇は2006年雪組全国ツアーのベルサイユのばら。現在の贔屓は星組トップスター礼真琴さま。 プロフィール詳細はこちら

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