こんにちは、zukacotoです。
昨日、9月1日に年明けの宙組(エルハポン/アクアヴィーテ)以来、実に9ヶ月ぶりの観劇を果たしました。
先にお話しておくと、今回は公演の感想は書きません。ただの日記です。色々思いが溢れすぎて、どうしても今の気持ちを書き留めておきたくなってしまいました。
もしご興味あればお付き合い頂ければ嬉しいです。後日、改めて公演の感想を書きたいと思います。
9年という歳月
このブログに何度か遊びに来て下さっている方にとっては飽きるほど聞いたことかと思うが、私は礼真琴さんの大ファンである。
ファン歴なんと9年。間違いなく人生で最も長続きしていることである。好きな芸能人はころころ変わってきたが、ことちゃんのことだけは自分でも驚くほどぶれなかった。
しかし、ファン、と言っても会には入っていない。お手紙は実は一度だけ書いたことがあるが、それも随分昔、少なくとも5年以上は前のことである。要するにお茶の間ファンというやつである。
基本的に芸能人にしろ何にしろ、好きになればなるほど遠い存在でいて欲しいと思ってしまう性質なので、このくらいの距離感が私にとってはむしろ心地よいのだ。
いわゆる宝塚的な応援の仕方とは違うのかもしれないが、それでも全ての演目とまではいかないにしろわりと定期的に観劇はしてきた方だと思う。歌劇・宝塚GRAPHは定期購読をしているし、家にはDVDやBlu-rayが図書館並みにズラリと並ぶ。そこは皆さんと変わらないだろう。
そんな、お茶の間宝塚ファンの私は宝塚を見始めてから5年が経ったときに礼真琴という人物に出会った。当時、私はまだ小学生であった。冬休みだったか、春休みだったか、とにかく時間があって暇をしていた私に父が星組のロミオとジュリエットのDVDを見せてくれた。
そこで、とてもかわいらしい笑顔でしなやかに踊る”娘役さん”と出会った。礼真琴さん、というらしい。ただ、その時は素敵な方だな、と心に留めておくくらいでむしろ私の興味はロミオ役の柚希礼音さんにあった。
かっこいい…!
今までも星組は見てきたのだが、柚希礼音さんがトップになってから星組を観劇したのは「ハプスブルクの宝剣/BOLEROーある愛ー」のみで、それ以来約1年ほどご無沙汰してしまっていたのである。
2番手時代の彼女は圧倒的なパフォーマンスを見せていたトップコンビ安蘭けいと遠野あすか(ご出産されたとのニュース拝見しました。おめでとうございます!)の後ろでなかなか苦戦していたイメージがあった。
それゆえ、久々に柚希礼音のステージングを目の当たりにして驚いた。ただただ、柚希礼音のかっこよさと舞台を牽引していく姿に魅了され、どっぷりと彼女にハマってしまったのだ。
ただ、元々飽きっぽい私は比較的すぐに礼真琴へとそのターゲットを変えることになる。きっかけは「14 COVERS TAKARAZUKA OTOKOUTA」というCDを聴いたこと。私がロミオとジュリエットのDVDを見てから約2ヶ月後のことである。
そこで、9年後の今に至るまで私の心を掴んで離さぬ”歌声”に出会ってしまったのだ。
どんなときも どんなときも 僕が僕らしくあるために
好きなものは好きと言える気持ち 抱きしめていたい
風が吹いたような気がした。
この歌詞がスーッと耳に入ってきたのだ。耳障りのいいやわらかい歌声。ふとCDのジャケットを見ると、礼真琴、の文字が目に入る。
あれ、この名前どこかで…。
あ!ロミオとジュリエットの愛の人か!娘役さんじゃなかったの…。しかもまだ研2!?どういうこと!?
心に留めていただけの存在だった礼真琴、という人が一気に気になる存在になった。その、気になる存在を実際に舞台で観ることが出来たのはそれから半年後のことである。
中学生になっていた私は星組の「オーシャンズ11」を観劇することになる。ロミジュリ以来、片っ端から柚希礼音さん出演のDVDを観ていた私である。やっと彼女の作品を生で観劇できるということですごく楽しみにしていた。
と同時に、出来たら頑張ってあの礼真琴さんを探してみよう。ぼんやりそんなことを思いながら席についた。
が、蓋を開けてみたらその礼真琴さんは別段私が探すまでもなく舞台でその歌声を轟かせていたのである。
好きだと思った。
ただ、好きだと思った。
以来、星組を観劇するときは終始礼真琴をオペラグラスで追うようになった。新人公演でどんな役がつくか気になるようになった。歌劇やグラフで彼女の姿がないか探すようになった。
そうやって追っかけているうちに、気付いたら9年経っていた。
9年と言えば、タカラジェンヌにとっても、例えば新人がトップスターになってしまうくらいには長く、そして大きな時間である。それは私にとっても同じで、中学生だった私は高校生を経て今は大学生をしている。
その間に色々なことがあった。部活を頑張ったり、友達とけんかしたり、人並みに進路に悩んだり。だが、”どんなときも”いつも近くに礼真琴がいた。落ち込んだときには彼女の歌を聴いて励まされてきたし、受験勉強の合間にDVDを見て元気をもらっていたりもした。
たかがお茶の間ファンではあるが、私にとっては間違いなく人生を共にしてきた方なのだ。
中学生の頃にはロミオとジュリエット再演で大抜擢を受けた礼真琴のために、何としても役替わりをどちらのパターンも観に行きたい!と1人で始発に乗って当日券に並んで観劇したことがあった。
中学生にとってはちょっとした大冒険である。無事にチケットが取れたあと、少し時間があったので有楽町のとあるレストランで食事をした。いつも注文すら緊張してしまう私である。1人でレストランに入るのはもちろん初めてのことだった。普段の私からは考えられないような行動力を発揮したと思う。
礼真琴を見たいという思いがそうやって私を色々なところに連れて行ってくれたりもした。
そんな彼女がトップスターに就任するのだという。嬉しい、だなんて言葉で片付けたくないが、ただただ嬉しかった。手を尽くしてチケットを手に入れ、プレお披露目公演「ロックオペラモーツァルト」を観劇した。
彼女が素晴らしかっったのは言うまでもなく皆さんご存じであろう。
次はいよいよ本拠地でのお披露目。なんとしても、ことちゃんの晴れ姿を、大羽根姿を生で見たい。その思いに駆られて、再び手を尽くしてチケットを入手した。
が、そこへこのコロナ禍である。東京組の私は彼女の晴れ姿を見ることが出来ないまま、長い長い公演中止期間に突入することになる。
公演再開と再びの絶望
自粛期間中も今までの作品を見返したりして、礼真琴不足を補おうとしてきたがやはりトップスターになったというのに未だ大羽根姿を見れていないのが気がかりだった。
いや、実際には写真やBlu-rayでは既に拝見してはいたが、人生を(勝手に)共にしてきた方のお披露目公演である。画面ではなく実際に劇場に出向いてこの目に収めたいと思うのは当然のことであろう。
待ちに待った再開の報があると、すぐにチケット情報を確認して日程を調整した。元々不要な外出は一切してこなかったが、観劇のために買い出しの回数も減らして体調も万全に整えた。
幸運にも1枚だけチケットが手に入った。観劇日は8月7日。あと何日、あと何日、とそれだけを楽しみにしながら、学生の本分である勉強も頑張ってきた。
しかし、8月に入ると想像だにしていなかったことが起こった。花組公演関係者に陽性者が確認されたのだという。星組が東京に来てからまだ幾ばくも経っていない。当然、宝塚では花組さんとの接触もあっただろう。
観れるだろうか。もしかしたら観れないかもしれない。いや、チケットは1枚しかないのだ。なんとか耐えてくれ。
そうやって祈るような気持ちで続報を待った。が、観劇を明日に控えた8月6日、明日から当面の間公演を中止するとの発表があった。
絶望した。
仕方のないことだが、私の9年間の思いが邪魔をしてどうしても現実を受け入れることが出来なかったのである。
そして、あと1日だったのに、を経験したのが実はこれで2回目だったこと。これが余計に私をどん底へと突き落としたのだ。
冒頭で年明けの宙組以来の観劇だと申し上げたが、実は2月に雪組ONCE UPON A TIME IN AMERICAを観劇する予定だったのだ。
持っていたチケットは2月29日。が、しかしこれが2月29日から中止となってしまったのである。その頃は、少し経ったらすぐに公演を再開できるものと思っていたし、そこまで悲観的に捉えることは無かったのだけれど。
その絶望を徐々におさめていきながら、たまにチケットに戻りがないか、チケトレに出品されてはいないかをチェックしていたのだが、やはりコロナ禍とはいえなかなかそういうこともなく。もう仕方ない、配信を見ることにしよう。そうやってやっと諦めがついたその時のことだった。
神様がくれた奇跡
つい、2・3日前のことである。いつものようにSNSをチェックしていたら、星組公演に戻りがあるとの情報を見つけた。
心臓が止まるかと思った。すぐさまHPを確認する。すると、9月1日の欄に△印がポツリと現れていたのだ。S席のサイド前方に3席ほど空席があった。
しかし、9月1日は元々用事が入っておりこれをどうするか少し考えなければならなかった。私にとっては容易にキャンセルのできない、わりと重要な案件だったからである。
が、5分かそこら考えても答えは出ない。もう一度空席を確認してみようとHPを開くと、3席あったはずが1席になっていた。
瞬間、考えるより指が勝手に動いていた。
こうして、私は3度目の正直で晴れて観劇をすることになったのである。9年間の思いをきっと神様が汲み取ってくれたのだと思った。
礼真琴の大羽根姿に何を思うか
礼真琴のお披露目公演というだけでなく、9ヶ月ぶりの観劇ということもあって前日から私は傍目から見てもわかるくらいふわふわと浮き出し合っていた。
ふわふわしながら劇場に向かい、ふわふわしながら体温計測、アルコール消毒をし、ふわふわしながら劇場に入る。正面のシャンデリア、赤い階段、公演の音楽を演奏するピアノを見た時、ずっと帰ってきたかった場所にようやく帰れたという思いがした。
席につくと、驚くほどの静寂に包まれていた。なるほど、宝塚ファンはマナーがいいと言うが確かにこれはさすがである。オーケストラの音合わせの代わりにすみれの花咲く頃が流れていよいよ開演である。
開演アナウンスに感動したのは言うまでもない。公演の感想は改めて書くが、とにかく礼真琴のずば抜けた才能をたっぷりと味わうことの出来た2時間半であった。
さて、南に燦然と輝く星のように、と歌う礼真琴を中心に黒燕尾が始まると少し緊張してくる自分がいた。礼真琴の大羽根姿に何を思うのか。もちろん楽しみでもあるが、長年この姿を見たくて応援してきたようなものである。気負わずにはいられない。
いよいよ大羽根を背負った人影が降りてくる。スポットライトが当たるとそこにはいつもと変わらぬキラキラとした笑顔の礼真琴がいた。
好きだと思った。
ただ、好きだと思った。
今までのことが思い出されて感激したりするのかと思っていたが、違った。
ただただ、好きだと思ったのだ。
いよいよ礼真琴のトップスター時代の始まりである。礼真琴がおそらくやりたいとずっと夢見てきたであろう、そして私も長年再演を願ってきた「エル・アルコン」の上演が既に決まっている。記念すべき新人公演初主演の「ロミオとジュリエット」の再演も。
礼真琴の夢はトップになってからも終わりはない。私もその夢をこれからも勝手ではあるが一緒に追いかけていきたい。
そんなことを思いながら劇場を後にした私の歩調は力強い。コロナで友達にも会えず遊びにも行けず、気も塞ぎがちだった私に明日を生きる希望をくれた礼真琴は、きっとこれからも私の心を掴んだまま離してはくれないのだろう。
おわりに
ただの自分語りの日記になってしまいましたが、もしここまで読んで下さった方がいらっしゃったら本当にありがとうございます。
長々と思い出を語ってしまいましたが、どうしても今の気持ちを形に残したくて筆を取りました。次回は公演の感想をしっかり書いていく予定なのでどうぞお楽しみに。それではまた。
ランキング参加しています!よければポチッとお願いします♡