こんにちは、zukacotoです。
先日、星組ロミオとジュリエットB日程の配信を拝見したのでキャストごとに感想をお話していきたいと思います。
予めおことわりしておくと、私は礼真琴さまのファンですので、彼女については少し熱量高めでお送りしています。笑
何卒ご容赦を~!それではスタート!
ロミオ:礼真琴
歌が素晴らしかったのはもう言うまでもないですよね。
8年前もめちゃくちゃ上手かったけど、今の方が全然上手いと思わせるあたりが礼真琴の凄さですよ。
そして…礼真琴のロミオは一言で形容するならばとにかくピュア!!
このピュアピュア感は何なんですか先生!!!
私ね、てっきり新人公演の時よりも大人な感じで作ってくるものと思っていたんですよ。
確かに新人公演のロミオはことちゃん持ち前の少年性にすごく合っていたけど、少し幼すぎた部分もあったので。普通そこを修正してくるものかと思うじゃないですか。成長した姿を見せたいみたいなこと仰っていましたし。
いやー、見事に予想を裏切られましたね。
しかし、あまりにピュアすぎて逆にそれが心配になると言いますか。繊細で儚げでちょっと押しただけで崩れてしまいそうな…。
やっぱり礼真琴にはこういう役がべらぼうに嵌まる。
かと思いきや、ジュリエットと結婚してからのロミオはその不安定さがスッと消えたのが印象的。ピュアすぎて人間味のなかったロミオが、人間らしくなったというか、たくましくなったというか…。
今回ロミオの変化がしっかり感じられたのは、大人の役も演じられるようになったからこそのものだったと思います。若さとパワーだけで演じていた新人公演よりも、深みが増したとでも言いましょうか。
そして、ファンとしては何より感動したのが、前回のロミジュリ・ベンヴォーリオ以来ずっと模索し続けてきた「役として歌うこと」を見事に実現していたこと。
特に♪世界の王から♪僕は怖いの流れはピカイチでしたね。
そして、今回は”受け”のお芝居も素敵でした。
例えば、♪バルコニーでジュリエットが歌っているのを下で聴いている時の表情の変化だったり、♪ひばりの歌声で行かないでと言われたときの表情だったり。
どちらも少し苦しげな目をしていたのが印象的でした。苦しくなるくらいジュリエットのことを深く愛しているんだなあ…なんて。
目と言えば、♪代償の時の目も印象的でした。
自分がしてしまったことが信じられなくて受け入れられなくて、とにかく何も目に入らないといった風でした。
(ことちゃんの目の演技、本当に昔から素敵なんですよね…。)
そして、子犬かのように小さく小さくなって、ずっと震えている。
ベンヴォーリオがロミオをかばうように肩を抱くのに、ぜんっぜん反応していないんですよ。目も合わせない。
それがね、すごくリアルだったなって思います。
そこからの♪僕は怖い(リプライズ)への流れは鳥肌ものでしたね。
はい、なんだかまだ語り足りないんですけど、これ以上語りすぎると長くなりすぎるのでここらでやめておきます。笑
また別記事で礼ロミオについて語ってしまうかもしれない…。それくらい本当に素晴らしかったです。
ジュリエット:舞空瞳
強いジュリエット、あるいは反抗期のジュリエット、と聞いていましたがなるほどこういうことかと納得しました。
確かに話題のバルコニーのシーンは私も笑っちゃいましたね。半ギレ感がとてもたくましゅうございました。笑
でも、反抗期とは言い得て妙で、今回のロミジュリはジュリエットの反抗の物語でもあるのかななんて。
思春期が故に一度こうと決めたら突っ走るし、親が何を言おうと意固地になって聞き入れない。
なんかその辺りがすごくリアルで等身大という感じがした。
だからかな。1幕はロミオよりジュリエットの方が大人に見えたんですよね。
2幕からはロミオがグッと大人になるので、見え方がまた逆転するんですけど。その辺りのお二人の力関係の変化も面白かった。
色々とこうしたいああしたいと言うのはジュリエットの方だ、なんてどこかのインタビューでことちゃんが仰っていましたが、まさにその言葉がしっくり来るジュリエットだったなと思います。
死:愛月ひかる
正直2番手が死って小池先生何を考えてるの!?と思いましたし、今もまあ2番手がやる役ではないよねとは思いますが、スター制度を気にしないのであれば愛ちゃんの死を見れたことは本当によかったなと思います。
私は真風涼帆の死をリスペクトしすぎていて、他を受け入れられない病に罹っていたのですが…。
愛ちゃんの死はアプローチが全く違った。
人を死に追い込もうとするわけでもなく、誰かが死んだからといって喜んだりもしない。
ただ、人が死ぬ時にはそこにいる。
死は皆に等しく訪れる普遍的なものである、ということを愛ちゃんの死から感じたのでした。
それにしても、あの魂を飲み込むかのような仕草は何なんですか!得体の知れない恐怖感を覚えつつも、何故か引き込まれてしまう魅力があそこにはあります。
ティボルト:瀬央ゆりあ
せおっちがティボルトだなんて…。まずそのことから涙してしまう。笑
全体的な雰囲気としては凰稀かなめバージョンのティボルトに近かった気がします。どこか哀愁を纏っているのが印象的でした。
終始目をカッと開いて周囲を威圧するかのようなその姿に、そうすることでしか生きてこられなかった男の悲しき運命を感じてこれまた涙。
唯一の心の拠り所だったジュリエットをロミオなんざに奪われてしまい、リミッターが外れてしまうティボルト。
そして決闘が始まるわけですが、止めに入ったロミオが「誰もが自由になれる権利がある」と言った瞬間の瀬央ティボルトの顔が忘れられません。
お前がそれを言うのか??
そんな風に言っているような気がしました。
ただ、一つだけ言うならば、もう少し抜け感が出てくるともっとよくなるのかなあ、なんて。
歌にせよ演技にせよ、どれも全力で頑張っている感が若干あったので、フッと力を抜いてみるところがあってもいいのかなと個人的には思いました。
その他のキャスト
ここからは少しペースアップしてそれぞれの役の感想を~!
ロレンス神父:英真なおき
ロレンス神父さまといえばこのお方。
冒頭のナレーションも懐かしくて懐かしくて。
しかし驚いたのはもう正直やり尽くしたであろうロレンス神父という役を、しっかりと礼真琴のロミオに合わせて調整してきていたこと。
上手く言えないんですけど、テンションがちゃんと礼真琴仕様だったんですよね。
そして、「尻の青いボンボンのお前が?」のくだりは実際のことちゃんと英真さんの関係が重なってグッと来てしまいました。
ベンヴォーリオ:綺城ひか理
今回ベンヴォーリオという大役に抜擢されたあかちゃん。
良くも悪くも無難ではあったかなという印象。ベンヴォーリオってやっぱり難しいんだろうなあ。
しかし、歌はさすがの出来栄え。大曲♪どうやって伝えようも素晴らしかった!アレンジなんか利かせちゃったりして驚きました。
今回の経験はあかちゃんにとってきっと大きな糧になるはず。これからもぜひ頑張って欲しいです!
マーキューシオ:天華えま
まず、髪型にびっくり。
バリアートっていうんですかね。刈り上げてかつ模様が入っているという。しかも眉毛にも剃り込みが入っていて、随分思い切ったなあなんて感心しました。
役作りはわりと狂気系とでも言いましょうか…。
ところどころ見ていて心配になる危うさがあって。ロミオが舞踏会に付いていくと言ったのにも納得です。
歌も上手で特に難曲♪マブの女王には驚きました!ちゃんと歌えてる人初めて見たかも。笑
そして、死ぬ時の「謝るのはガキだけだぜ」の言い方が印象に残っています。
歴代マーキューシオはロミオに怒ったり罵ったりするかのように言う方が多かったと思うんですが、ぴーすけの場合はすっごく優しい言い方だったんです。
そのことにロミオへの深い愛情を感じてグッと来てしまいました。
乳母:有沙瞳
今回の裏MVPかもしれない…。(表はもちろん礼真琴さま♡笑)
今まで乳母は色んなタイプの方が演じてきた役。男役さんだったり、専科さんだったり。
そういった意味で言うと、くらっちの立場としては初演の白華れみちゃんと似ていることもあって、役作りのテイストもわりとれみちゃんに1番近いような気がしました。
でも、よりお茶目感が強かったのと、ジュリエットへの愛がとにかく深かったのが印象的でした。この乳母、推せる。
そして、この間の記事にも書きましたが、乳母が一転してパリスと結婚する方が幸せだ、と言い始めた理由をきちんと納得させてくれた乳母だったなと思います。
娘をひっぱたいたキャピュレット卿に文句を言いかけるのですが、彼の様子を見てその言葉をグッと引っ込める。そういった流れが丁寧に演じられていて、すごくよかったです。
大公:遥斗勇帆
遥斗くん、大抜擢でしたね!
メイクはもう少し研究の余地ありかなと思いましたが、持ち前の体格を活かし威厳ある大公を体現されていたと思います。
歌も文句なしの素晴らしさ!♪ヴェローナめちゃくちゃ聴き応えありました。
パリス:極美慎
あかん。極美のパリスでは結婚したくなってしまうーーー!
かっこいいけどこの場合は駄目なのよーーー!笑
もう少し間抜け感とか、空気読めない感とかが出るとよかったのかなあなんて思いました。それこそジュリエットが結婚したくないって思うのも当然だなって私たちに思わせるくらいに。
あ、でもティボルトのお悔やみに伺いましたとか言って顔に手をやって泣く真似をするんですが、実のところ全然悲しそうじゃないのがちょっとツボりました。
歌は問題なく歌えていたので頑張って欲しいです!
愛:希沙薫
なんか、ことちゃんの愛と雰囲気が似ていてびっくりしました!
今まできさちんのことをことちゃんと似ているだなんて思ったことがなかったので、本当に驚きました。
終始ちょっと切なそうな顔をしているところとかめっちゃ似てる。
私の中でことちゃんの愛を神格化しすぎていて、再演を重ねてもどうしてもことちゃんと比較してしまうところがありましたが、初めて「いいかも」って思える愛に出会えたような気がします。
ただ、今回のBパターンでは愛ちゃんが死を演じているということで、愛と死のコンビというよりはロミオと死のコンビの方が際立ってしまっていたのは少し可哀想だったかな…。
その他
新組長・美稀千種さんのモンタギュー卿は今回で2回目。なんだか懐かしくて嬉しかった。
新副組長の白妙なつさんはモンタギュー夫人を。初演の花愛瑞穂さんのモンタギュー夫人が大好きでしたが、なっちゃんもすごくお似合いでした!
特に、ロミオの追放が決まったときの悲痛な叫び声に泣かされました。息子への愛情をあの短いシーンでよく体現されていたように思います。
しかし、珍しく♪憎しみでは少し精彩を欠いていたような。あの曲難しいんでしょうね。その他の歌はしっかりと聴かせてくれました。
キャピュレット卿には天寿光希さん。一樹千尋さんに少し寄せたような役作りだったように思いますが、ジュリエットを叩いてしまってから♪娘よに繋がるシーンが特に素晴らしかった。
歌を聴かせてくれたことはもちろん、ジュリエットのことを心底愛しているのだなということがひしと伝わってきました。
キャピュレット夫人には夢妃杏瑠さん。あんるちゃんは全体的に歌が少し不安定だったような…。
あと、個人的にはもう少しティボルトに依存している感じがあった方が好きかもしれません。
その方が後々「実の叔母と怪しいとか」と言われたティボルトが「うるさい!!」ってなる流れも納得出来るような気がします。
まあでも、これは私が初演&再演の音花ゆりさんのキャピュレット夫人が好きすぎるが故の感想なのかもしれないですけど。
ピーター役の輝咲玲央さんはなんかキャラ濃くてツボでした。ピーターってこんな感じでしたっけ?これはこれで新たなピーター像という感じでいいんじゃないでしょうか。笑
役が付いていなかった方で気になった方はというと…。
まず、音波みのりさまの美しさが際立ってましたね~!もう大好き~!
もはや私が言うまでもないでしょうが、かつらとか髪飾りとか着こなしとか、そういったセンスが抜群にいいのですよ彼女。今回も最高に素敵でした。
湊璃飛くんの髪型もスゴくてびっくりしました。頭の半分刈り上げてましたよね!?
安定に朝水りょうパイセンがかっこよかったのと、漣レイラ&ひろ香祐のダンスがやっぱり好きで好きで仕方がないということも再確認しました。
天飛華音くんは今回役が付かなくて残念でしたが、キレッキレに踊ってらっしゃるのがちらっと映って嬉しかったです。
フィナーレ
さて、フィナーレの感想もザッとですがお話しておこうかな。
まず、せおっちの歌唱指導泣けました。ついにここまで来たかと思うと感慨深くて。
その後、男役群舞では皆さん安定のオラつき具合を発揮していましたね。やっぱり星組はこうでなくちゃ。
そして、死メイクのままご登場の愛ちゃんの色っぽさ!反則ですアレは。
あと、個人的にはことちゃんとはるこちゃんが組んで踊るところがあったのが嬉しくてたまりませんでした。
トップさんがあんな風に相手役さん以外の方と踊るなんて結構珍しくありません?それもこれも、はるこちゃんだからこそ許される感。
ことはるコンビはまさに姉弟という感じで、大好きなお二人です。
そして、噂に聞いていたデュエダン。フラメンコ調の曲にのせて、バッチバチな視線を交わし合いながらバトルでもするかのようにキレッキレに踊っていらっしゃるのが印象的でした。
さすがすぎますね、本当にこのお二人は。
デュエダンでここまで身体動かすコンビがかつてあったでしょうか。笑
そしてお衣装がまた赤と黒でちょっと嬉しかった。あのお衣装、すっごく素敵ですね!
(そう言えば、見る前はあんなに微妙とか言いまくってた衣装でしたが動いてみたらあんまり気にならなかったし、気にする暇もないくらい皆さんが凄かった。ただ、やっぱり仮面舞踏会のシーンのなこちゃんの衣装だけはプリキュア感があって浮いていたような…。)
パレードは小桜ほのかちゃんの美声からスタート。高音も揺らぐことなく綺麗に出るのが彼女の強みですよね。
最後に、深い青の大羽根を背負ってことちゃんが出てきた時の感動は忘れられません。
新人公演でロミオを演じていた子が8年後にトップスターになって再びロミオを演じている。なんだかそのことを今更ながら実感させられたと言いますか。
この8年間のことを思い出しながらつい感傷に浸ってしまう自分がいました。
そして、最後の最後までブレない歌声に最後の最後まで驚かされる。
銀橋での♪世界の王、すっごくノリノリで本当に楽しそうで見ているこちらも幸せになりました。
おわりに
今日は星組のロミオとジュリエットB日程の配信を観ての感想をお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?
人によってそれぞれ感じ方は違うでしょうし、今回はネガティブな内容でも正直にお話ししたので、もし不快に思われた方がいらっしゃったら申し訳ありません。
いやあ、それにしても想像の遥か上を行く素晴らしさに、俄然A日程の方の仕上がりも気になっています。
大劇場の千秋楽の配信は多分見れないので、東京までお預けかなあ。
どうかチケット取れますように…!
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