こんにちは、zukacotoです。
先日星組のロックオペラモーツァルトを観劇してきました!
この公演は星組新トップコンビ礼真琴、舞空瞳のプレお披露目公演であり、池袋の新劇場「東京建物BrilliaHALL」のこけら落とし公演でもあります。
今回は全体の感想とキャスト別の感想を語っていきたいと思います。
全体の感想
前評判を聞いて期待値爆上がりしていたのですが、結果から申し上げると…
す、すごすぎて言葉にならない!!笑
ことちゃんのみならず出演者の皆様の熱量に圧倒されてしまいました。
言い方が悪いかもしれませんが、とにかく下手な人がいなかったんです。歌が苦手な人には徹底的に歌わせないという。笑
よく言えば適材適所で、わかりやすい例でいうとはるこちゃん(音波みのり)ですかね。歌は全く無いですがお芝居でしっかりと魅せてくれました。
歌だけではなくお芝居やダンスに関しても空気を乱すようなといいますか、流れを潰すような下手な人がいなくて近年まれに見るクオリティの高さだったと思います。
演出について
今回石田昌也先生が演出と言うことでかなり、いえ相当心配していたのですがやっぱりやってくれちゃったなといった印象でした。
まず大問題なのが主題が定まっていないということ。サリエリとのライバル関係なのかコンスタンツェとの愛なのか。どちらも欲張った結果、ラストのシーンがおかしなことになっていた気がします。
主人公が死んでから、ドライアイスが出てきて天国みたいな感じになって最後に主人公が歌って幕、というのはあるあるだと思うんですけど。
今回はそれをサリエリとコンスタンツェでわざわざ2曲やったので間延びしちゃって気持ち悪かったです。
あとは細かいところで言うと就職活動とか、シングルマザーとか、無理矢理今の言葉を入れてきたり。曲はいいのに歌詞の言葉選びにセンスがなかったり、字足らず字余りが多かったり。
まあ、日本語訳となると難しいのは承知していますが、もう少しなんとかならなかったかと。
しかし、トッププレお披露目ということでオリジナルできらきら星の連弾のシーンを入れたり、結婚式のシーンを入れたりしたのは石田先生グッジョブでしたね。お二人がかわいすぎてうっかり禿げるかと思いました。
そして、脚本としてはヴォルフガングはいつからコンスタンツェを好きになったのかとか、サリエリがなんでそこまでヴォルフガングを貶めようとするのかとか気になる点はたくさんありましたが笑、演出面ではかなり好きな場面がありました。
特に1幕ラストでヴォルフガングのお母さんが亡くなって、アロイジアに振られたあとの♪バラの上で眠りたい(Je dors sur des roses)のシーンは最高に良かったと思います。
衣装について
今回とにかく衣装がかわいすぎますよね!特にコンスタンツェ4姉妹の色違いのお花のドレスがもうかわいくてかわいくて♡
そしてことちゃんファンとしては、大好きな赤と黒の衣装でよかったね!と母親かのような目線で拝見しておりました。笑
アロイジアの♪ビン、バン、ブン(Bim Bam Boum)のシーンの青いドレスとキラキラの髪飾りも素敵でしたね。
それにしても有村先生のお衣装は本当にセンスが素晴らしくて!見ていて楽しくなりますよね。
キャスト別感想
さて、ここからはキャスト別に感想を!
礼真琴 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
今までだって相当すごかったはずのに、周りに合わせて力を抑えていたのかと疑うくらい異次元過ぎましたね。これでもかというくらい歌い狂い踊り狂いまさに大暴れ。
子供のまま大人になったような人だ、と劇中で評されていましたがまさにそれを体現していらっしゃって。無邪気にはしゃいだり、常識外れな行動を見せたかと思えば、真剣に夢を語ったり、人を思いやる優しい一面を見せたり。
その支離滅裂なキャラクターを上手く一人の男としてまとめあげていました。
印象的なシーンは1幕のラスト。母親が亡くなって絶望している時にアロイジアと再会するシーン。アロイジアに結婚したことを告げられて「おめでとう」と言ったその乾いた声、凍り付いた表情といったら。
もう見ていられないくらいボロボロで…感情移入せずにはいられませんでした。その流れで歌う♪バラの上で眠りたい(Je dors sur roses)。これには頭を殴られたかのような衝撃を受けました。
なんなんですかあのロングトーンは!!!!
恐ろしいお方!!!!
あれは彼女に技術と強靱な声帯があるからこその表現だったと思います。
あのロングトーンがヴォルフガングの叫びとリンクして私たち観客をも容赦なく絶望の底に落としてくるんですよ。
上手いとかいう次元をはるかに超えた表現に出会ってしまった衝撃に、幕が下りてからも客席全体が一瞬動きを失った感じがしました。
舞空瞳 コンスタンツェ・ウェーバー
なんなんだ、この方の圧倒的ヒロイン感は。歌だってお芝居だってまだまだな部分はあるのに。これがことちゃんが言う舞台度胸というやつか。
ヴォルフガングと似たもの同士と劇中でも言われていますが、これまたその言葉がぴったりなんですよね。泣いたり、笑ったり、怒ったりくるくる変わる表情がとっても可愛くて魅力的でした。
そして最後にヴォルフガングに「僕にはちょうどよかったんだ」と言われて「そうね、あなたには私くらいでちょうどよかったわね」と返すシーンがとても好きです。
歌では♪恋が足りない(Si je defaille)が印象的でしたね。幸せだけどやっぱり恋がしたい!と朗々と歌う姿がコンスタンツェらしくてとってもよかったです。
今回ことちゃんとは初めてがっつりと組んだところを拝見して思ったのは…なこちゃんは3歩後ろに下がってというよりは、ことちゃんの隣を歩くのが似合う方だなと。
今後はことちゃん対立関係でガンガンにバトルする役を見てみたいです。
…エル・アル・コンやりませんか?笑
凪七瑠海 アントニオ・サリエリ
歌上手くなりましたか!?びっくりしました。声量も抜群で素晴らしかったです。
♪切り刻まれたプライド(Le bein qui fait mal)が特に迫力ありました!
脚本的にヴォルフガングとの関係が見えにくいところがあるのですが、彼の才能を認めているからこその嫉妬や葛藤をとてもよく表現されていて、脚本の穴を埋めていらっしゃったと思います。笑
悠真倫 レオポルト・モーツァルト
さすがの貫禄で舞台を締めていらっしゃいました。歌も迫力満点で!
父の言うことには逆らえないというヴォルフガングとの微妙な関係もこの作品のみどころになっていたと思います。
音波みのり セシリア・ウェーバー
まさかのコンスタンツェのお母さん役ということで驚きましたが、さすがに巧かったです。挙げたらキリが無いのですが、とにかくすべてにおいて台詞回しが絶妙で。
特に印象的だったのは、アロイジアの登場シーン。
今までの下品でがははと笑うような口調とは打って変わって、しっとりとした台詞回しで私たちを一気に幻想的なシーンへと誘ってくれたのが印象的でした。
紫藤りゅう ローゼンベルグ伯爵
あっちへスリスリ、こっちへスリスリと出世のためにころころと態度を変えている様子がおかしくて、客席を沸かせていましたね。
でもなんか憎めないのはしどりゅーのお人柄もあるのかしら。おじさん役もこなせてしまうという新たな発見でした。星組から組替えになってしまうのが本当に惜しいです。
小桜ほのか アロイジア・ウェーバー
とにかく♪ビン、バン、ブン(Bim Bum Boum)の衝撃ですよ!その透き通った綺麗な歌声にヴォルフガングだけではなく私まで吸い込まれそうになりました。妖艶で、幻想的で素敵なシーンになったと思います。
そして有名になるためにヴォルフガングに取り入るしたたかさはコンスタンツェとは大違いだけれど、離婚しても幸せだと言い切る姿はどこか似ていてやはり姉妹だなあと。そのさじ加減がとても良かったです。
極美慎 フランツ・ジュースマイヤ
酒場のシーンだったりで中心を担っていて感動でした。今後も下級生にどんどん場面を与えて欲しい!笑
きわみくんは今回説明台詞もあって責任重大でしたが、滑舌もよく歌も申し分なかったです。ことちゃんとハモるところも声質が合うのか綺麗に出来ていて拍手。
ただフィナーレで気になったのがダンス。もしかしてちょっと苦手だったりします?まだまだそこは頑張る余地ありな感じがしました。
まだまだ語り尽くせていないのですが、今回はひとまずこの辺で。
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>mirioflowerさん
全くその通りでただ何も考えずに歌やダンス、お芝居を楽しみたいのに台詞だったり話の流れにどうしても引っかかる部分があって。できればそのあたりストレスフリーで観られたらもっとよかったなと感じました。
演者の方々が素晴らしいかったぶん余計に惜しいと感じたのかもしれません。もしこの先再演なんてことがあるならば、石田先生にはぜひ改善をお願いしたいところです(;^_^A
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私は地方ですのでスカステでしか情報を得ることが出来ないので、分かりやすいレポありがとうございます。
星組生が素晴らしいお仕事をされたのはよく分かりました。
しかし石田先生の主題がはっきりしていなかったというのが大変気になりました。
観ている側としては流れにもたつきがあると混乱して感動が薄れてしまいますよね。
人気作品であることと役者に救われたのだと思いますが、作品に対する皆さんの評価も今一つという意見があるのは残念ですね。
宝塚は今若い女流作家の台頭が増えて目線が良いと評価も高いですから、うかうかしていると今後厳しい展開が待ち受けているかもしれませんね。