こんにちは、zukacotoです。
先日、星組の「エル・アルコンー鷹ー」を観劇して思ったことを今日は少し。
前から薄々思っていたことなんですが…。
やっぱり礼真琴には影のある役の方が似合うと思うんですけど、皆さんはどう思いますか?
礼真琴の静の演技
アメブロ時代から言っていたことなんですけど、私、どちらかというとことちゃん(礼真琴)の”静の演技”が好きなんです。
例えば最近だと「霧深きエルベのほとり」のフロリアン・ザイデルなんかがこれにあたります。
反対に、「ロックオペラモーツァルト」のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは”動の演技”であると言ったらわかりやすいでしょうか。
要は、自分からエネルギーを発して周囲を巻き込んでいくという役よりは、基本的に受け身であまり声を荒げたりしないような役、ということです。
普段はあんなに明るくて、人懐っこくて、同期からも「常に話題の中心にいた」なんて話がよく聞こえてくるような方なので、そこが不思議なところなんですけど。
何故私は礼真琴の”静の演技”に心惹かれるのかな、と考えてみた時に思いついたのが「声の良さ」と「目」でした。
まず、声の良さについて。
礼真琴と言えば「歌が上手い」というのが宝塚ファンの間で共通認識だと思っているのですが。
その歌の上手さって、もちろんご本人の努力もあるとは思うんですが、元々の声の良さから来るものもあると思うんです。
先日の「エル・アルコンー鷹ー」でも開演アナウンスが話題になったり、台詞の声が良い、なんて感想をよく見かけたりしたものです。
普段お話になる時はハスキーっぽい感じも混ざるからこれまた不思議なところなんですけど。
まあそれはさておき、その「声の良さ」が活かせるのって決まって”静の演技”の時だと私は思っていて。
「ロックオペラモーツァルト」や「眩耀の谷~舞い降りた新星~」みたいな”動の演技”が求められる役になると、どうしても気持ち声が高めになるんですよ。
そういうものよりは、例えば「アルジェの男」のジュリアンや今回の「エル・アルコンー鷹ー」のティリアンみたいに落ち着いた役の方が、台詞を発する上で声の良さが活きてくる気がします。
そして、「目」ですよ。
ことちゃんはどちらかというとショースターと言われていて、歌やダンスに目が行きがちですけど、実は目の演技がピカイチだと私は思っているんです。
最近だと「アルジェの男」のジュリアンが素晴らしかった。
私、これは観劇することは叶わなくてBlu-rayで拝見させて頂いたんですが。感想でこんなことを書いていました。
エリザベートにご満足でしょう?と言われて「そう見えますか」と返すところ。
目が!目がやばい!何も見てないこの人!
心のこもっていない感じ、エリザベートを踏み台としか思っていない感じ。そしてエリザベートの気持ちをわかった上で面白がっている感じ。本当に目の演技がすごい…。
”何も見ていない目”と言えば、遡ればバウ初主演の「かもめ」のラストシーンもすごかった。全てを失った人の空虚な目に、私は恐ろしさすら感じたのでした。
静の演技と影のある役
礼真琴の”静の演技”について力説したところで本題。
今回のティリアンを観て思ったんです私。
ことちゃんにはどこか影のある役が似合うな、って。
ティリアンは極悪非道な所業を繰り返す単なる悪者なのかと言えば、必ずしもそうとも言えない部分もあるじゃないですか。
母親と”父親”との歪んだ関係が故に、スペイン人と罵られた幼き日の記憶。それが彼の野心を駆り立てることになった原因でもあり、ティリアンのまとう影の正体でもある。
このティリアンのまとう影が、ことちゃんの”静の演技”とぴたりとハマっていたなと。
他に挙げるならば、例えば「霧深きエルベのほとり」のフロリアン。
彼は自分が思いを寄せる相手が別の男性を好きになってしまったにも関わらず、取り乱すどころか彼女の恋を応援し、優しく見守るのですが…。
どこか物悲しげな雰囲気をまとっていたのは、ことちゃん本来の”持ち味”によるところだったのではないかと思うんですよね。
これまでに演じた「影のある役」
礼真琴の影のある役、というとなかなかそういった役をやっていないのが現実。
リストアップするとこのあたりになりましょうか。
- かもめ(2014年)
- 霧深きエルベのほとり(2019年)
- アルジェの男(2019年)
- エル・アルコンー鷹ー(2020年)
どれも私の大好きな「礼真琴」がたくさん詰まっているので、未見の作品がある方には是非ともこの機会に見て頂きたいところなのですが。
…やっぱり少ないですねえ、影のある役。
演出家の先生方が、礼真琴に歌わせたくなる気持ちも、踊らせたくなる気持ちもわかる。「阿弖流為」や「眩耀の谷」みたいな、求心的なリーダーをやらせたくなる気持ちもわかる。
しかし、やっぱり私の記憶に残るのは上記の作品のようなものばかりなんですよね。
これから礼真琴にやってほしい役
さて、ここまで礼真琴に似合う役ということを色々と語らせて頂きましたが、それを踏まえた上で礼真琴さまにやってほしい役がいくつかあるのでそれについてもお話しさせて下さい。
上田久美子作品
まず、1つ目が上田久美子作品。これはマストでやってほしい。
星組って5組の中で唯一先生のオリジナル作品をやっていない組なんですよ。
上田久美子作品の独特の雰囲気が星組と合わない、というのは理解出来るんですけどね。でも、礼真琴が主演ならイケると思うんです。
参考までに先生が演出を担当した作品を挙げておきます。
- 月雲の皇子(月組・2013年)
- 翼ある人びと(宙組・2014年)
- 星逢一夜(雪組・2015年)
- 金色の砂漠(花組・2016年)
- 神々の土地(宙組・2017年)
- BADDY(月組・2018年)
- 霧深きエルベのほとり(星組・2019年)
- フライング・サパ(宙組・2020年)
- fff-フォルティッシモ-(雪組・2021年)
- 桜嵐記(月組・2021年)
唯一先生が星組を担当したのが「霧深きエルベのほとり」ということで。残念ながらこれはオリジナルではないんですよね。好きではありましたけど。
でも、私がことちゃんで上田先生の作品を観たい、と思ったのは単に似合うと思ったから、というのもあるんですが、「霧深き―」の時にことちゃんが上田先生の演出に感銘を受けていらっしゃったから、という理由もあるんです。
実はことちゃんと上田先生には過去にもう一つ接点があって。
ことちゃんが最後に新人公演の主演をした「黒豹の如く」の新公担当が上田先生だったそうなのですが、その時も上田先生の演出に魅せられていたご様子だったんです。
(こちらの新人公演で演じたアントニオ・デ・オダリスという役は、影のある役というわけではないのですが、”静の演技”が存分に活かされた作品なのでこちらももし機会があればぜひ!)
さらに、ことちゃんのトップ就任に際して、上田先生が歌劇に寄せて下さった文章が決定打でした。
先生が礼真琴を形容する言葉の数々があまりにもストンと腑に落ちたというか。この時、はっきりと、上田久美子が礼真琴に当て書きをしたらどんなになるだろうか、なんてことを時々想像するようになったのでした。
やりましょう、星組で、上田作品を。
さて、上田先生についてちょっと熱く語りすぎたので笑、ここからはサラッとやって欲しい作品を挙げます。
かもめ
バウホール初主演でもあり、お芝居に苦手意識を持っていたことちゃんがその思いを払拭し、「お芝居が楽しい」と発言を一転させるきっかけとなった作品です。
ご本人がトップスターロングインタビューか何かで「もう一度挑戦してみたい」と仰っていたのが印象的でした。
作品の持つ雰囲気、そして主人公の色々とこじらせた性格含め、確かにことちゃんには合っていた。「ママと言わせたら礼真琴」なんて本屋のポップが話題になったりもしましたね。
当時は体当たりで演じていた感もあったので、今のことちゃんで演じたらどうなるのかは私も気になるところです。
ファントム
こちらも「かもめ」同様にマザコンをこじらせた系(言い方)。
幼き日に母親から受けた愛情をそのままクリスティーヌにも求めてしまった結果、あんなことになってしまうわけですよ…。切ない。
地下に生きるしかないファントムの悲しき運命。歌を含めことちゃんが演じたら絶対にハマると思う。
エリザベートのルドルフ
こちらも私の大好物、マザコンシリーズ。
うたかたの恋のルドルフではなく、ことちゃんの場合はエリザベートのルドルフが似合う気がする。
とはいえ、トップになっちゃったからもはや見ることは絶対に叶わないんですけどね。見てみたかった役、ということで挙げさせて頂きました。
そう言えば、星組ではエリザベートを20数年やっていないらしい。ことちゃんのトートも意外に似合うのではないかと実は思っています。これは影のある役、というわけではないけれど。
死は逃げ場ではない!
をことちゃんがどう言うのか、聞いてみたい気もする。ここ、演じる方の個性が1番現れるところだと思っているので。
ブエノスアイレスの風
最近宝塚でとんとやらなくなった反政府運動モノ。作品全体に横たわる重く鈍い空気が印象的な作品。
楽しい作品かと言われれば、決して楽しくはないけど。笑
反政府ゲリラだった主人公が、軍事政権が倒れたことで刑務所を出所したところから物語は始まるのですが。自分がこれから向かう道を模索する、というところがことちゃんに合うような気がします。
と、同時に頻繁に出てくるタンゴシーンをことちゃんで観てみたい、という別の思惑もあってこの作品を挙げさせて頂きました。笑
おわりに
さて、礼真琴には影のある役が似合うんだ、ということを今回はお話してきたのですが。
次回公演の「ロミオとジュリエット」で早速その持ち味が活かされそうな場面があります。
そうです、♪僕は怖いです。
新人公演での号泣しながらの大熱演も印象的でしたけど、あれから「かもめ」などを経てブラッシュアップされた今のことちゃんが演じたらどんなになるか、非常に楽しみにしています。
そして、しつこいようですが今のことちゃんで上田久美子先生の作品を見てみたい!
2021年は先生が既にトップスターの退団公演を2公演も抱えていらっしゃるので、叶うとしたら再来年以降なると思いますが…。期待しています。
最後までお読み頂きありがとうございました。それではまた。
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