こんにちは、zukacotoです。
星組トップスター・礼真琴さんのこれまでの歩みを振り返るシリーズ、第6弾は2番手時代について語っていきたいと思います。今回でいよいよ最終回になります。
前回の記事はこちらからご覧頂けます。
2番手デビュー戦!紅ゆずる&綺咲愛里お披露目公演
さて、2016年のタカラヅカスペシャルでポスターにまで載ったことちゃん。明けて2017年1月、東京国際フォーラムにて「オーム・シャンティー・オーム」に出演されました。
こちらの公演は紅ゆずる&綺咲愛里新トップコンビのプレお披露目公演でした。
ことちゃんは紅ゆずるさん演じるオームと敵対し、愛里ちゃん演じるシャンティーを騙し殺す映画プロデューサー、ムケーシュ役を演じます。
ことちゃんとなにかとご縁がある小柳先生演出!インド映画を題材にしており、衣装など見た目にも楽しく音楽も楽しい公演でした。
大劇場お披露目公演「THE SCARLET PIMPERNEL」でのショーヴラン役を控えていたことちゃん。ムケーシュはその前哨戦とも言える悪役でした。特にシャンティーへの態度を豹変させ、映画セットに火をつけて彼女を殺してしまうシーン。
こ、こわすぎた…(褒めてる)。
トップコンビのプレお披露目ながら2番手ことちゃんのお披露目、新体制のお披露目のようにも感じた公演でした。
そしてこの頃発売された宝塚グラフ2017年2月号でことちゃんは初表紙を飾ります。ついに、グラフの初表紙を飾るまでになったのか!と思うと嬉しかったですね。
そして3月、新トップコンビお披露目公演「THE SCARLET PIMPERNEL」が開幕します。 ポスターが公開されてから期待値が高まりに高まっていました。
ポスター入りしたことも勿論嬉しかったのですが、何よりも少し心配していたビジュアルもとても素敵でショーヴランの代名詞黒服もよく似合っていましたよね。
とはいえ肝心なのは舞台の方、歌が素晴らしいのはまあだいたい想像は出来ていましたが、あまりに大役なので心配でこっちが勝手に緊張していたのですが…。
登場シーンで 「どけ!貴様がピポー軍曹か!!」
これを聞いた瞬間、ああ私は何をそんなに心配して緊張していたんだろうと思いました。思えばいつだってことちゃんは、どんなに学年に見合わない大きな役をもらっても期待以上のものを私たちに見せていてくれていました。
私が特に好きなのは、ショーヴランとして初めて舞台上で歌う♪マダム・ギロチン。はじめの「裏町のドブを見て育った」 のワンフレーズだけで舞台の空気が一変するんです。
そしてどちらかというとカラオケ歌唱と言わてきたことちゃんが歌い方を大幅に変えてミュージカル歌唱になっていたことにも感動 。
そしてラスト「聞いてくれ 俺達の叫び 血に飢えた魂 血に飢えた魂 我らの女神!」と周りとは別のメロディーを歌うところが特に凄かったです。コーラスのエネルギーもすごく人数も多かったのに全く埋もれる様子なく真ん中にいること。
そしてまるで地響きのように劇場に響き渡る低音ボイス。鳥肌がたちました 。
さて、ことちゃんの役作りとして「ショーヴランにはショーヴランの正義があった」ということをよく仰っていたのですが、それがよく現れていたのが♪栄光の日々。
ちえさんのときは「俺は革命の夢を信じている」という部分が強調されていて力強い明日への歌のように聞こえたのですが。ことちゃんは一味違って、過去の栄光を取り戻したいという後ろ向きな歌に聞こえました。
「あの夏の俺達は連帯していた 握りあった手の熱さ忘れない」で自分の手を握って力を込めるように歌っていたのが印象的。そこを強調することで、最後の「俺は革命の夢を信じている」が余計に切なく聞こえました。
そのあと歌い継ぐ紅ゆずるさん演じるパーシーとの対比もよかったです。過去の栄光を思った歌から、自らの手で栄光の日々を勝ち取ろうという希望への歌に変わっていく流れが素晴らしかった。
そして、フィナーレでは歌唱指導を担当。ことちゃんの「ひとかけらの勇気」が聞けて嬉しかったです。男役群舞で紅ゆずるさんがはけたあとはセンターで男役さんたちを率いて踊っていて。衣装もスパンコールがついていて、2番手さんなんだなあって…思わず目頭熱くなりました。
階段降りはもちろん、ごまかしも何も無く堂々の2番手ポジで!しかもしかも、まさかの下手先頭という大任を任されて!そんなこんなで、様々な意味で感動の公演となりました。
ちなみに、ことちゃんは常々カラオケが大好きと話していらっしゃるのですが、ショーヴランを歌いきるために小池修一郎先生からカラオケ禁止令が出てしまったようです。笑
その甲斐あってかあれだけの歌があっても喉を潰すことなく演じ切ることができました。さて、スカピン語りが少々長くなったのでここからは少しペースアップしましょう。
「阿弖流為 」で初の東上主演!
2017年7月「阿弖流為」で東上公演初主演を飾ります。この公演はリニューアルした日本青年館のこけら落としとなりました。
この阿弖流為では下級生まで役がついてそれぞれが生き生き輝いていながら、そして真ん中のことちゃんに向かっていく力もすごくて。ことちゃんのトップ時代もかくあってほしい、なんてぼんやり思ったものでした。
そしてこの頃、歌劇8月号にて初表紙を飾ります!歌劇は一人映りですので、グラフの表紙をやるよりも狭き門。トップスター、娘役トップ、2番手にしかこの役は回ってきません。2番手羽根よりも先に歌劇表紙デビューとなりました。
ついに念願の2番手羽根
9月「ベルリン、わが愛/Bouquet de TAKARAZUKA」にご出演。お芝居では紅ゆずるさんとの初の親友役。今まで敵対する作品だったので新鮮でしたね。
ショーでは2番手羽根を背負い、ようやく名実ともに2番手として認められた形になります。これでトップになるためのカードは全て揃えたことになりました。
そしてまたまた下手先頭。あれ、と思ってスカピンからESTRELLASまで4作品は全てことちゃんが下手先頭でした。だからなんだって話ですが、なんとなく嬉しい感じがします。笑
自身初のディナーショーを開催
2018年2月にディナーショー「MOMENT」に出演。今まで涼紫央さん、夢咲ねねさん、妃海風さんのディナーショーに出演してきましたが、自身のものは初めてとなりました。
ここでは自分で作詞した♪MOMENTという曲も披露していらっしゃいます。トップ就任記念CDにも収録されているので機会があればぜひチェックしてみて下さい!
さて、4月からは「ANOTHER WORLD/Killer Rouge」にご出演。
お芝居は日本物のコメディでことちゃんは江戸の大店の若旦那徳三郎役。江戸っ子口調や、お作法がとってもかっこよかったです。
ショーでのイチオシは大階段の男役群舞!大階段で真ん中はってるのも嬉しかったですし、情熱の嵐もシビれました!
そしてこの公演では雉羽根だったのも嬉しかったでず。2番手の羽根は、単色でただのフワフワの羽根だけということも多いのですが、雉羽根が混ざるとまた格が上がるというか…単色ではなく、グラデーションだったり手が込んでいるものも同様です。
同じ2番手には変わりないんですけどね、箔が付くじゃないですけど認められた証みたいなものです。まあ公演の衣装バランスによっても変わるものなので実際何も関係ないところだとは思いますが、なんとなく雉羽根だと嬉しい感じがしてしまいます。笑
2度目の台湾公演
8月からは「Thunderbolt Fantasy/Killer Rouge」を梅芸・日本青年館、そして台湾で上演!ことちゃんにとっては2回目の台湾公演となりました。この時は2番手として事前に台湾を訪れて取材を受けたり制作発表に出たりと大忙しでしたね!
2018年12月のタカスペでは2番手として、2回目のご出演。私の大好きな安蘭けいさんの花吹雪・恋吹雪を歌ってくださったのが嬉しかったです。
もうこの頃にはタカスペで多くのスターさんと並んでも遜色なく、貫禄すら感じられるように。
2019年1月からは「霧深きエルベのほとり/ESTRELLAS」にご出演。
エルベではフロリアン・ザイデルを好演してらっしゃいました。ことちゃんのお芝居がぐぐっと深みを増したのが感じられました。
このフロリアンという役ですが、ことちゃん初めてじゃないかなってくらい抑えたお役で。愛する人のために身を引くのがなんとも切なく、またかっこいいんです。良家の跡継ぎらしく口調もやわらかく、黒燕尾の着こなしもノーブルな感じで素敵でした。
特に、こちらの台詞。
「マルギット、よくお聞き」
…はあい!!聞く聞く聞きます!!!(誰)
ことちゃんのピアノ生演奏も聞けて贅沢すぎる公演でした。
ショーではスターライトパレード、Back、星サギの場面が好きです。このショーは特にことちゃん大活躍でしたね。
スターライトパレードはプロローグからひとり残って歌うという演出。1人でも余裕で舞台を埋められていて感動でした。Backはあんなに激しく踊っているのに全く揺らがない歌声がもう意味分からなくて好きです。星サギではことちゃんのグランジュテにご注目 怖いくらいに体力おばけですよね。
紅ゆずる&綺咲愛里が退団発表
そして、この公演中には紅ゆずるさん綺咲愛里さんの退団が発表されます。悲しさ反面、当然話題になるのは次のトップが誰になるのかということ。
全国ツアーが決まっていたことちゃんが最有力ではあったものの決まるまでは期待しすぎないようにとあえて考えないようにしてきましたが、結果的には順当にことちゃんが組内昇格するということで決定しました。
愛希れいかちゃん、実咲凜音ちゃん、妃海風ちゃんと95期でトップ娘役を務めた御三方をはじめ、OGさんたちもSNSでことちゃんの就任をお祝いしていてなんだか自分のことのように嬉しくなりました。
相手役には星組に組替えが決定していた舞空瞳ちゃんが決定し、首席入団コンビと話題になりましたね。ここからの流れは皆さん記憶に新しいところだと思うので簡単に。
5月、全国ツアー「アルジェの男/ESTRELLAS」で主演を務めたのち7月からは紅ゆずる&綺咲愛里のサヨナラ公演「GOD OF STARSー食聖ー/Eclair Brilliant」に出演。
そして、2019年10月14日付で星組トップスターに就任。
こちらは、初舞台公演の時のトップ娘役・陽月華さんがことちゃんのトップお披露目に際して寄せて下さったお言葉です。
いくつかの会話の中でのはっきりとした意思が 印象的で、私は勝手にルーキーとよぶことにしました。ルーキー。その言葉から感じる清々しい気概を彼女に感じたのだと思います。
「歌劇」2月号 通巻1133号 2020年2月5日発売 今月の華より
初舞台公演の時の入団時からすでに見定めていたということちゃんが夢を叶えた瞬間でした。
さて、6回にわたってお送りしてきたこのシリーズ。
次は総集編代わりに礼真琴さんを知るにはこの作品!ここが良いから見て欲しい!という作品を厳選して選んでまとめたので、ぜひご活用下さい♡
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