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ロミオとジュリエットを観るなら星組初演版をおすすめする3つの理由

こんにちは、zukacotoです。

今回はロミオとジュリエットについての話題です。

宝塚におけるフレンチミュージカルの先駆けとなったこの作品。過去に3度再演されていますが、2020年に礼真琴主演で7年ぶり、4度目の再演を果たすこととなりました。※現在公演スケジュールの見直し中

予習をしておきたいんだけど、どのバージョンを観るのがおすすめですか?
zukacoto
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私は圧倒的に2010年の星組初演版をおすすめします!星組版の魅力について今日はたっぷりお話していきますね。

ロミオとジュリエットについて

本題に入る前に、まずはロミオとジュリエットという作品について簡単にまとめておきますね。ご存じの方はこの項目は読み飛ばしちゃって下さい。

さて、ここでの「ロミオとジュリエット」という作品は、ジェラール・プレスギュルビック氏によりロックミュージカル化され、2001年にフランスで初演されたもののことを指します。

日本では2010年に星組により梅田芸術劇場と博多座にて初演されました。その後、宝塚では2011年、2012年、2013年にそれぞれ雪組、月組、星組で再演されました。

正直お腹がいっぱいになるくらい毎年のように再演していたわけですが、それも初演の成功があってのことですね!

主な配役

初演の主な配役は以下の通りです。

ロミオ モンタギューの息子 柚希礼音
ジュリエット キャピュレットの娘 夢咲ねね
ティボルト ジュリエットの従兄 凰稀かなめ
ベンヴォーリオ ロミオの親友 涼紫央
マーキューシオ ロミオの親友 紅ゆずる
ロレンス神父 修道士 英真なおき
キャピュレット卿 ジュリエットの父 一樹千尋
乳母 ジュリエットの乳母 白華れみ
キャピュレット夫人 ジュリエットの母 音花ゆり
モンタギュー卿 ロミオの父 にしき愛
モンタギュー夫人 ロミオの母 花愛瑞穂
パリス伯爵 ジュリエットの求婚者 天寿光希
真風涼帆
礼真琴

後に凰稀かなめ、紅ゆずる、真風涼帆、礼真琴とトップスターになった方が主な役で4人もご出演!豪華ですよね。

あらすじ

イタリア・ヴェローナ。この街ではモンタギュー家とキャピュレット家、二つの一族が何代にも渡って争いを続けていた。

キャピュレット家では令嬢ジュリエット(夢咲ねね)がヴェローナ随一の大金持ち、パリス伯爵(天寿光希)との縁談が持ち上がっていた。

ジュリエットに想いを寄せる従兄のティボルト(凰稀かなめ)は結婚に反対するが、一家の主であるキャピュレット卿(一樹千尋)に一蹴されてしまう。そして、キャピュレット卿はジュリエットとパリス伯爵を仮面舞踏会で引き合わせようと計画していた。

一方モンタギューの跡取り息子・ロミオ(柚希礼音)親友のベンヴォーリオ(涼紫央)マーキューシオ(紅ゆずる)に誘われてキャピュレットの仮面舞踏会に忍び込む。

運命の糸で引き合わされたロミオとジュリエットは一瞬で恋に落ちるのだった。しかし、そんな二人の愛は街中を巻き込む不幸の始まりでもあった…

宝塚×フレンチミュージカルの先駆けとして

今でこそ多くのフレンチミュージカルが上演されている宝塚。

音楽に乗せて紡がれる物語に、奇抜で豪華な衣装と耳にも目にも楽しい作品ばかりで宝塚ファンの間でもフレンチミュージカルは人気の高い分野だと思います。

そもそもブロードウェイ・ミュージカルが戦前からの歴史を持つのに対して、フレンチミュージカルは2000年頃から急成長したとあってまだ歴史も浅いのだとか

日本でもまだ馴染みのなかったフレンチミュージカルをいち早く上演したのが宝塚でした。

2010年の星組「ロミオとジュリエット」は宝塚、ひいては日本におけるフレンチミュージカルの先駆けとなった作品だったのです

その後、宝塚では1789や太陽王、アーサー王伝説、最近ではCASANOVAやロックオペラモーツァルトなど多くのフレンチミュージカルが上演されています。

私が星組初演版を推す3つの理由

ここからはこの記事の本題、私がロミオとジュリエットを観るなら星組初演版を推す理由をお話していきたいと思います。

ヴェローナの街の緊迫感 凰稀かなめと紅ゆずるの好演

まず、ヴェローナの街の緊迫感が魅力的でした。

これはティボルトを演じた凰稀かなめとマーキューシオを演じた紅ゆずるの好演に起因すると思います。

冒頭の歌♪ヴェローナからしてお二人ともキレッキレのバッチバチ。

怒らせたらやばい、いつか命を巻き込む惨事になりかねないと冒頭の一場面で観客側に悟らせるだけのものがありました。

このヴェローナの街の緊迫感は何度再演を重ねても初演に勝るものはないと思っています。

それから、凰稀かなめが歌う♪本当の俺じゃないも絶品。

本当は復讐の手先になんかなりたくはなかったんだ、と歌うその姿は彼女の本来の持ち味である哀愁感が存分に活きていて。

その後の決闘の場面がより悲劇的に映りました。

ロミオとジュリエットの若さ

星組では2013年に大劇場で再演されました。ロミオ役とジュリエット役は柚希礼音と夢咲ねねが再登板することになったのですが…

大劇場でやるということ、そしてトップとして経験を積んできたことでより技術的にも役作り的にもクオリティの高いものに仕上がっていたと思います。

しかし、これは個人的な意見ですが、初演のときの荒削り感、フレッシュ感がこの作品に限ってはむしろよかったと思うのです。

誰もが知る壮大なラブストーリーですが、よくよく考えてみれば二人が出会ってから亡くなるまで3日くらいしか経っていないんです。

若さゆえに突っ走ったというと言い方が悪いですが…初演の時の方が愛を貫いて駆け抜けた二人の姿が、少なくとも私の目には印象的に映ったのです。

真風涼帆の死と礼真琴の愛

私が初演版を推す最大の理由がここにあります。

とにかくこの二人がいいんです。個々でももちろん素晴らしいけれどこの二人の組み合わせが奇跡なまでにぴたりとはまっていました。

2013年の再演時に潤色・演出を担当した小池修一郎先生が公演プログラムにこう寄稿しています。

初演のある者は退団し、ある者は組替えとなった。再度オーディションを行ったが、何れも甲乙付け難い人材ばかり。(中略)

初演で強烈なインパクトを残した真風涼帆の「死」と礼真琴の「愛」は、もう一度観たくもあり、また新たな挑戦をさせたくもある。

散々悩んだ末、思い切って複数のダブル・キャストを組むことにした。

東京宝塚劇場 星組公演「ロミオとジュリエット」公演プログラムより

また、礼真琴のトップ就任に伴い小池先生が歌劇に寄せたメッセージがこちら。

廊下を通り掛けに目に入った全国ツアー『BOLEROーある愛ー』の稽古場で、鋼のようにしなってピンと戻る柔軟な肉体に釘付けになった。(中略)これは踊らせないと損であると思った。

間もなく機会が訪れた。『ロミオとジュリエット』初演に際し、男役の死のダンサーに相対する「愛」という役を創り、あのしなやかな肉体に演じさせることにした。

礼真琴の「愛」は予想以上の成果を上げ、日本初演成功の一因となった。

歌劇2月号 通巻1133号 礼真琴に贈る言葉より

あの鬼の小池修一郎先生がもう一度やらせたい、日本初演成功の一因となった、とまで仰るだけの力がお二人にはありました。

当時、若干研5と研2だったお二人がどうしてここまでの評価を得ることができたのでしょうか。具体的に何がそんなによかったのでしょう。

まず、お二人に共通して言えるのがダンスと表情です。

死の真風は男役らしくダイナミックにかっちりとしたダンス。愛の礼は小池先生も仰るようにしなやかに柔らかく。呼応するかのように反発し合うダンスが特徴的でした

そしてお二人ともロミオとジュリエットを誘う手の動き、体の動きが“上手かった”んです。

そのことがヴェローナの街を操るのがこの「死」と「愛」であるということをより観客に色濃く印象づけたのだと思います。

そしてお二人の表情の対比も素晴らしかった。真風が狂気的にロミオとジュリエットを見つめるのに対し、礼は慈愛に満ちた表情で二人を包み込む。

何度再演を重ねてもこの初演の「死」と「愛」ほどのインパクトはありませんでした。

そしてそれは、2013年の再演で再び同じ役を演じた本人たちでさえ…。役替わりの関係上、再演では真風と礼がコンビを組むことはなかったのです。

やはり、お二人ともそれぞれ素晴らしかったということを前提として、初演であそこまでの強烈なインパクトを残したのは、真風涼帆の「死」と礼真琴の「愛」という組み合わせがあったからこそだというのを再演を観た時に痛感したのでした。

その他の注目ポイント

さて、長々と語ってきましたがこれを機に初演のロミジュリを観てみようかなという方にその他注目して欲しいポイントをお話しようと思います。

紅ゆずるの成長

当時は2番手どころか沢山いるスターの一人でしかなかった紅ゆずる。快進撃が始まるのはまだ少し後のこと。

私が彼女を知ったのはこの作品が最初なのですが、びっくりしました。なぜなら歌が壊滅的に下手だったから。笑

これは…歌なのか?歌、なんだろうな一応。

小学生ながらにそう思った記憶があります。今思えば生意気な小学生ですね。笑 特に♪マブの女王は酷かった…。

でも彼女には下手でも心がありました。マーキューシオが死ぬ時の歌は下手だし荒削りなんだけれど、涙を誘いました。

このロミオとジュリエット以降、オーシャンズ11でベネディクトを演じたのを皮切りにぐんぐんと成長を見せトップスターとなった紅ゆずる。

あんなに下手だった彼女がスカーレット・ピンパーネルでパーシーを演じられるほどの歌唱力を手に入れたのです。このあと相当努力したんだろうなというのを想像しながら観るのも面白いと思います。笑

大公閣下の威厳

水輝涼さんの大公が個人的に1番好きなんです。彼女は紅ゆずるさんと同期生なのですが、早くから脇役として抜擢を受けていました。

今で言う輝月ゆうまさん的なポジションとでも言いますか。歌がとにかく上手くて、大公としての威厳をこの学年で表現されていたことに感服してしまいました。

モンタギューの男の中に

モンタギューの男たちのなかに現・宙組2番手の芹香斗亜さんがいらっしゃいます。DVDでもお姿確認出来ました。

そしてもうお一方注目して欲しいのがモンタギューの男のなかにいるポニーテールのイケメン、汐月しゅうさま!かっこよすぎて鼻血出るので覚悟して探してみて下さいね。

そして、後に星組トップ娘役となる妃海風ちゃん、綺咲愛里ちゃんもこの公演にご出演でした。

とくにあーちゃんは組配属後はじめての舞台だったそうで。お稽古場ではバルコニーの場面を再現するために、木枠を一生懸命プルプルしながら持ち上げていたというエピソードが。笑

DVDだと私では見つけられなかったのですが、もし気になる方は探してみて下さい!

まとめ

さて、今回は2010年星組「ロミオとジュリエット」についてお話してきましたがいかがでしたでしょうか?

礼真琴が再び「ロミオとジュリエット」に挑戦することになりましたが、初演版をご覧になったことのない方はぜひ一度観て頂きたいと思いこの記事を書きました。私の初演への愛が伝わっていれば幸いです。それではまた!

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ABOUT ME
zukacoto
宝塚が大好きな大学生。 初観劇は2006年雪組全国ツアーのベルサイユのばら。現在の贔屓は星組トップスター礼真琴さま。 プロフィール詳細はこちら

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