(この記事は以前書いたものに加筆したものになります。)
こんにちは、zukacotoです。
星組で礼真琴、舞空瞳主演により13年ぶりの再演を果たす「エル・アルコンー鷹ー」について今日はお話していきたいと思います。
初演は同じく星組で2007年に安蘭けい、遠野あすかという超実力派コンビにより上演されました。ことちゃんも好きな宝塚の作品として挙げていたこともあります。自身のフォトブックでも扮装していたくらいですから相当な愛の強さです。笑
今回はそんなエル・アルコンのあらすじを自分なりにまとめてみました。いつ公演されるかわからない状況ですが、予習したいという方のお役に立てれば幸いです。
ちなみにですが、どんな役があって、どんな風に物語に関わってくるのかがわかるといいなと思って、かなり詳しく書いちゃってます。
一応結末は伏せていますが、まだ楽しみに取っておきたいという方はご遠慮頂いた方がいいかもしれません。笑
役名と台詞は太字で示しています。♪マークは曲名ですので、予習用に初演の音源を購入される方は参考になさってください。
オープニング
時は16世紀、スペインが無敵艦隊を率い、沈まぬ太陽の国と呼ばれた時代。舞台となるのはそんなスペインに代わって世界の覇権を狙うイギリスである。
物語はジェラード・ペルー(綺城ひか理)が国家反逆の罪で追われるところから始まる。ジェラードを慕う少年ティリアン(二條華)はそんな彼を逃がしたことで、父親エドリントン(桃堂純)に罵られてしまう。
「そんなにジェラードが好きか!そうだとも、この目もこの髪もあの男のものだ、スペイン人め!」
エドリントン(桃堂純)は自らの息子を実はジェラード・ペルー(綺城ひか理)の子ではないかと疑い虐げてきたのだ。エドリントン(桃堂純)に首を絞められそうになった少年ティリアン(二條華)は、短剣で彼を刺し殺してしまう。
「私を殺そうとする者は、例え父上でも許しません!」
成長したティリアン・パーシモン(礼真琴)はイギリス海軍中佐として名を挙げつつも、いつかスペインに渡り、鷹のごとく七つの海七つの空を駆けるのだと野心を抱いていた (♪エル・アルコンー鷹ー) 。
そして従者ニコラス・ジェイド(咲城けい)にいつか七つの海と七つの空を見せてやると誓うのだった(♪七つの海七つの空) 。
「お連れください、七つの海へ 私はどこまでもお供します」
ニコラス(咲城けい)もティリアン(礼真琴)に忠誠を誓う。
レッドとの出会い
プリマスに寄港したティリアン(礼真琴)は友人エドウィン・グレイム(天華えま)に遭遇し、婚約者だというペネロープ・ギャレット(有沙瞳)を紹介されるが、ティリアン(礼真琴)の興味は別のところにあった。
それは、 スペインからの独立を目論むネーデルランドを支援をしているプリマスで一番の豪商、グレゴリー・ベネディクト(輝咲玲央)である。
スペインの邪魔するグレゴリーを貶めるべく、ティリアン(礼真琴)はグレゴリーのライバルである商人エドワード・コールサック(遥斗勇帆)を利用することを思いつき、マスターズ(ひろ香祐)とスコット(湊璃飛)に計画の実行を指示する(♪ミッション)。
実はコールサック(遥斗勇帆)はティリアン(礼真琴)の義理の父パーシモン卿(朱紫令真)の愛人シグリット・シェンナ(音波みのり)の兄でもあり、お互い持ちつ持たれつの関係を続けていた。
グレゴリー(輝咲玲央)の邸宅を訪れたティリアン(礼真琴)は、ネーデルランドへの支援船にイギリス海軍の護衛をつけることを提案する。
グレゴリー(輝咲玲央)はティリアン(礼真琴)の策略とも知らずに喜んで提案を受け入れたが、そこに居合わせた息子ルミナス・レッド・ベネディクト(愛月ひかる)はティリアン(礼真琴)の冷たい目が気にかかっていた。
しかし、そんな彼との宿命を知る由もなく、レッド(愛月ひかる)は正義と良心を胸に法律家になることを夢見ている。(♪正義と良心)
ペネロープの父親が提督であることを思い出したティリアン(礼真琴)は、彼女に取り入るために彼女がエドウィンとの婚約を破棄するように仕組み、ロンドンまでの護送役を買って出る。
ギルダとの最初の闘い
しかし、そんな彼の護送船を狙う一団があった 。
フランス貴族の血を引く女海賊ギルダ・ラバンヌ(舞空瞳)が率いるブランシュ・フルールである。(♪ブランシュ・フルール)
突然の襲撃に、一時は窮地に陥るティリアン(礼真琴)だったが、彼の機転により艦は反撃に出、彼女らを退却させる。
「ムッシュパーシモン!次回こそ必ず…!」
「マドモアゼル、あなたにまた会いたい…。」
見事に襲撃をかわしたティリアン(礼真琴)の部屋にペネロープ(有沙瞳)がやって来る。助けてくれた礼を言うペネロープ(有沙瞳)にティリアン(礼真琴)は強引にキスをするのだった。
初めは拒絶するペネロープ(有沙瞳)だったが、ティリアン(礼真琴)にエドウィン(天華えま)にはなかった男らしさを感じ、終いには身を任せてしまう 。
「女は抱かれていればいい…」
まんまとペネロープ(有沙瞳)をものにしたティリアン(礼真琴)は彼女の父親(蒼舞咲歩)の力でついに海軍大佐に昇進する。
母イザベラとの再会、そして少年時代の思い出
病床の母の元を訪れたティリアン(礼真琴) 。
母イザベラ(万里柚美)はエドリントン(桃堂純)亡き後、ティリアン(礼真琴)の出世のためにパーシモン卿(朱紫令真)と再婚したのだが、今でもジェラード・ペルー(綺城ひか理)を想い、ティリアン(礼真琴)のなかの彼の面影を愛しているのだった。
そんな母の姿を見たティリアン(礼真琴)もまた少年時代に思いを馳せる…。
ジェラード・ペルー(綺城ひか理)に憧れ、スペイン海軍を夢見る少年ティリアン(二條華)。そんな彼に母はスペイン貴族出身の祖母の話を繰り返し聞かせるのだった 。
「オレンジ畑に夕日が落ちる光景はまるで夢のように美しいそうよ。」
少年ティリアン(二條華)はスペイン人ながらイギリス海軍に身を置くジェラード(綺城ひか理)に理由を問うのだが、ジェラード(綺城ひか理)はいずれわかる時がくるとだけ答えた。
そしてジェラード(綺城ひか理)はスペインへの憧れを抱く少年ティリアン(二條華)をこう諭すのだった。
「君の野心のままに生きてごらん、君にはそれが出来るはずだ。」
その年、ジェラード(綺城ひか理)は国家反逆罪の疑いで追われ、ネーデルラントに逃れる。彼はスペインのスパイだったのだ…。
ギルダとの密談
ティリアン(礼真琴)はギルダ(舞空瞳)を内密に呼び寄せ、自らの海路を邪魔しないように要請する 。
ギルダ(舞空瞳)は自らの領地であるウェサン島を狙うスペインを憎み、スペイン船を攻撃していたのだ。そしてその憎しみはスペインと通じるティリアン(礼真琴)にも向けられる…(♪愛と憎しみの狭間で)。
ティリアン(礼真琴)はそんなギルダ(舞空瞳)にウェサン島を侵すことはしないと約束するが彼女が彼の言葉を信じることはなかった。
気高く生きるギルダ(舞空瞳)にティリアン(礼真琴)は興味を持つようになる。
「私はあなたを頂きます。」
「私の海に溺れるのはティリアン、あなたよ。」
レッドの復讐の始まり
そんな2人の様子を見ていたシグリット(音波みのり)は、パーシモン卿の愛人でありながらティリアン(礼真琴)にも愛の言葉を囁き保身を図ろうとしていた。
そして兄コールサック(遥斗勇帆)からの手紙をティリアン(礼真琴)に渡すのだった。その手紙は偽造されたスペインへの親書…ティリアン(礼真琴)はこれをグレゴリー・ベネディクト(輝咲玲央)の商船に紛れ込ませ、彼を国家反逆罪で告発し死刑に追い込む。
父親を無実の罪で殺されたレッド(愛月ひかる)はティリアン(礼真琴)への復讐を誓うのだった(♪宿命)。
母の死
そんな最中、イザベラ(万里柚美)が亡くなる。
次の正妻の座を狙うパーシモン卿(朱紫令真)の大勢の愛人を一掃すべく、ティリアン(礼真琴)は1人の少女を後妻に呼び寄せた。
その少女の名はジュリエット・グリンウッド(桜庭舞)。恋を夢見る少女はティリアン(礼真琴)と結婚できるものと勘違いして胸を高鳴らせていた。
愛と憎しみの狭間で
ギルダ(舞空瞳)が再び動き出しティリアン(礼真琴)に戦いを仕掛けてくる。
「ティリアン、あなたに負ける私ではないわ!」
「なかなかの腕ですなマドモアゼル…スカートが暴れていますよ。」
「おだまり!パーシモン!」
激しく刃を交える2人であったが、ティリアン(礼真琴)はついにギルダ(舞空瞳)を追い詰める。
「降伏しますか…ウイですかノンですか。」
「ウイ…ムッシュ…。」
ティリアン(礼真琴)はギルダ(舞空瞳)を自室に呼び寄せ服を脱ぐよう求める。
ギルダ(舞空瞳)は自らの胸に刻まれた幾重もの傷を見せ、こんな体でも欲しいかと尋ねるが、ティリアン(礼真琴)はその傷にむしろ敬意すら抱くのだった。
今は敵対しているが、海を愛するもの同士…2人は体を重ね合う。
レッド、キャプテンブラックと出会う
一方、レッド(愛月ひかる)は正義と良心の理念のもとに集まった仲間と共に海賊となっていた。
しかしキャプテンブラック(天飛華音)の一団の縄張りを侵してしまい、彼らに襲撃されてしまう。
戦闘のなか負傷したブラック(天飛華音)を見つけたレッド(愛月ひかる)だったが、自らの敵はティリアン(礼真琴)のみと定める彼はブラック(天飛華音)を逃がしてやるのだった 。
ティリアンの本性が暴かれる
パーシモン邸を追い出されることを恐れたシグリット(音波みのり)はティリアン(礼真琴)を貶めるべく、エドウィン(天華えま)にある場所に行くように入れ知恵をする。
そこにいたのはティリアン(礼真琴)、そして彼とスペインとの間を取り持っていたシュルベリー司教(大輝真琴)であった 。
ティリアン(礼真琴)がスペインのスパイだと知ったエドウィン(天華えま)は手始めにシュルベリー司教(大輝真琴)を逮捕する。
そして彼の正体を知ってしまった人物がもう1人…ペネロープ(有沙瞳)である。ショックを隠せないペネロープ(有沙瞳)であったが、ティリアン(礼真琴)への愛を断ち切ることは出来なかった。
黙っていることと引き換えにティリアン(礼真琴)の愛を求めたペネロープ(有沙瞳)をティリアン(礼真琴)は無惨にも刺し殺すのだった。
その様子を目撃したジュリエット(桜庭舞)は身の危険を感じ、パーシモン邸からの逃走を図るが、ちょうどそこへ侵入してきたレッド(愛月ひかる)と遭遇する。
ジュリエット(桜庭舞)はレッド(愛月ひかる)にティリアン(礼真琴)の本性を告げ、自らを屋敷から連れ出すように頼むのだった。
しかし、侵入が明るみとなりレッド(愛月ひかる)は追いつめられてしまう。
と!そこへキャプテンブラック(天飛華音)の一団が現れレッド(愛月ひかる)たちを救出する。彼は以前助けてもらった時の借りを返しに来たのだ。
ブラック(天飛華音)のおかげでレッド(愛月ひかる)は間一髪、ジュリエット(桜庭舞)と共にパーシモン邸を脱出する。
ギルダの少女時代
ギルダ(舞空瞳)は幼き日のことを思い出していた。
海を見つめる無口な少年に少女ギルダ(水乃ゆり)は、宝物の短剣を手渡した。人を信じない彼の目に自身を重ねたからだ。少年は何も言わずに短剣を持って去っていった…。
そこへ現れたティリアン(礼真琴)は、ギルダ(舞空瞳)にもうすぐスペインに亡命するのだと告げる。そして亡命するからにはスペインに彼女の島を奪わせるようなことにはしないと誓うのだが…。
ジェラード・ペルーとの再会
そこへジェラード・ペルー(綺城ひか理)がウェサン島を侵略したとの知らせが入った。
すぐさまウェサン島に駆けつけるティリアン(礼真琴)はジェラードとの再会を果たすが、もはやかつて憧れた人の姿はそこにはなかった。
ギルダ(舞空瞳)の領地を揚々と奪わんとするジェラード(綺城ひか理)に失望したティリアン(礼真琴)は彼を国家反逆罪で絞首刑に課す。
「私は知っている…この首に幾重にもロープがかけられていることを。しかし誰にもそのロープを引かせはしない! 母上、ジェラード・ペルーをお渡ししましたよ。」
実の父親をも手にかけたティリアン(礼真琴)が見ているのものは七つの海七つの空、ただそれのみであった…(♪七つの海七つの空)。
夢にまで見たスペインへの亡命
エドウィン(天華えま)は逮捕したシュルベリー司教(大輝真琴)の裁判に立ち会うようにティリアン(礼真琴)に求める。そこでティリアンの正体を暴くつもりなのだ。
しかし、ティリアン(礼真琴)は既にスペインへ亡命する手はずは整えていた。今こそ、夢にまで見たスペインへ…!
スペインに快く迎えられたティリアン(礼真琴)は新たな戦艦の建造を願い出る。
その名はエル・アルコン、鷹。
ティリアン(礼真琴)が領地を奪還してくれたことを知ったギルダ(舞空瞳)はスペイン王・フェリペ二世(隼玲央)への手土産にと自身を差し出すように求めるが、彼が頷くことはなかった。
そしてティリアン(礼真琴)は、幼き日にある少女からもらった短剣が勇気をくれたのだと打ち明け、共に七つの海七つの空を駆けようと誘う。
それはティリアン(礼真琴)にとってギルダ(舞空瞳)への最大の敬意と愛情の言葉であった…。
最終決戦
いよいよティリアン(礼真琴)はエルアルコンに乗船し、憧れのスペイン無敵艦隊を率いて、イギリスとの最後の戦いに出ることになる。
夢にまで見た七つの海七つの空を駆ける日まであと少し。
野望のために数々の罪を犯したティリアン(礼真琴)を待つものとは…。そして彼を追い続けるレッド(愛月ひかる)との宿命は、ギルダ(舞空瞳)との愛と憎しみの行方は…。
おわりに
今回はエル・アルコンのあらすじについてお話してきました。上手く説明できているといいのですが…わかりづらいところがあったらごめんなさい。
初演版が楽天TVで配信もされているので、ぜひ予習として観てみてください!
壮大なスケールと安蘭けいさんのかっこよさ、そして主要3人の歌の力にエルアルコンの虜になること間違いなしです!
次の記事ではこの作品の見どころについて解説したいと思います。配役予想もしているのでよければご覧下さい。それではまた!!
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