観劇日記

星組ロックオペラモーツァルト感想【場面別①】

こんにちは、zukacotoです。

星組ロックオペラモーツァルトの感想を今回は場面を追って細かく書いていきたいと思います。今回は一幕について!確実に長くなりそうな予感ですが最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

そして、私は大のことちゃん(礼真琴)ファンですので確実に彼女を褒めちぎります。あらかじめご了承を。笑

その男モーツァルト( Penser l’impossible )

幕開きはカチャ(凪七瑠海)をはじめとした♪その男モーツァルト(Penser l’impossible)で始まります。

いきなりいい曲です!というか今回はいい曲しかないんですけれども。カチャの迫力ある歌声に一気にロックオペラモーツァルトの世界に引き込まれてしまいます。

しかしカチャはなんと1幕はここだけの出演です。物語の性質上、仕方の無いことですが宝塚にしては思い切ったなと思います。笑

道を開けろ僕が通る( Place, je passe )

場面が変わって、ザルツブルクの宮廷ではオレキザキ(輝咲玲央)演じるコロレド大司教にモーツァルト一家が旅に出たいと申し出ます。しかしそこには肝心の長男ヴォルフガングの姿が見えません。

すると雷がゴロゴロ鳴って…

「僕ならここにいますよ~!(イケボ)」

瞬間、舞台奥の幕が落ちるとそこには後ろ向きに立つヴォルフガングの姿が!

いやああ、登場シーンがあり得ないほどかっこよすぎましたね。そのまま♪道を開けろ僕が通る(Place, je passe)がはじまります。

この曲が主題歌に当たるんですね。テンションが上がるメロディと声のよさが相まってすごく大好きなナンバーです。

カチャもなこちゃん(舞空瞳)もこのナンバーを袖から見てると仰っていましたね。

個人的にはバイトで市民男としてこのナンバーに参加しているヒーロー(ひろ香祐)とことちゃんが顔を見合わせているのも嬉しかったです!

オペラップ( L’operap )

続く酒場の場面。♪オペラップ(L’operap)はジュースマイヤ役のかりんちゃん(極美慎)が中心となったナンバー。

かりんちゃんががメインを張っているではないか!!!気付けばもう研6ですか。ちょうどいい感じの抜擢具合ではないでしょうか♡

名前の通りラップなのですが、ラップ部分はソロではなく合唱だったので聞き苦しさはまったくありませんでした。CASANOVAのときは手に汗握る感じがしたので…笑

家計のためにこの酒場で働くなこちゃん(舞空瞳)演じるコンスタンツェ。客としてやってきたヴォルフガングとの♪きらきら星変奏曲の連弾シーンは可愛すぎて危うく禿げ散らかすところでした

トラブル・メーカー(Le Trublion)

他の客に悪口を言われてヴォルフガングのスイッチが入っちゃいます。

♪トラブル・メーカー(Le Trublion)では、机に仰向けで寝っ転がってハハハと狂ったように笑い、かと思えば突然机の上に立ち上がって後ろ向きに倒れてみんなにキャッチされるというハラハラする振付も

ヴォルフガングの奇人変人ぶりが色濃く出ているところなのに、なぜかかっこいいんですよね。礼真琴の謎が増えました。

この歌ではかりんちゃんと一部ハモるところがあるのですが、声質が合うのかきれいに聞こえましたよ~!

そしてそのまま殴り合いになってしまうヴォルフガング。パンチとキックが妙に俊敏すぎるのがツボでした。笑

ビン、バン、ブン(Bim Bum Boum)

ウェーバー家にやってきたヴォルフガングを迎えたのははるこちゃん(音波みのり)とかなえちゃん(漣レイラ)演じるコンスタンツェの両親。まるでレミゼラブルのテナルディエ夫妻みたいで笑

特にはるこちゃんのドスのきいた台詞回しには驚きました。

あとこのシーンで印象的だったのはきらきら星を作曲した本人とは知らずにつまらない曲、とディスってしまう母親をコンスタンツェがいたずらっぽい笑顔で見ていたこと

後にコンスタンツェはヴォルフガングにいたずらっ子と言われていますが、特にいたずらをしたりするような場面はないんですよね。

でもこういう細かいところでしっかりとキャラクターを演じていてそれが後でつながってきて。なこちゃんすごい…ってなりました。

そしてコンスタンツェの姉、アロイジアの登場シーン。♪ビン、バン、ブン(Bim Bum Boum)で幻想的な世界観に一気に変わります。

小桜ほのかちゃんの妖艶で透き通った美しい歌声といったら!ヴォルフガングが惹かれてしまうのもうなずけます。そしてすっかりアロイジアに夢中なヴォルフガングはコンスタンツェのことなんか全然目にもくれません。

二人の距離が近づいていくのを遠くから見つめるコンスタンツェが切ないんです

早速レッスンをしよう!とヴォルフガングとアロイジア。ピアノの前に座るコンスタンツェに向かって「邪魔よ どいてちょうだい」と言うアロイジアの冷たい声がグサグサと心に刺さりました。

いやこれは切ない。

ヴォルフガングのばかーーー!!

私もコンスタンツェと一緒に心の中で叫んでしまいました

そして恋に浮かれるヴォルフガングは、母親の心配など全く気付かずにアロイジアのことを嬉しそうに話すんです。この時の屈託の無い笑顔。まさに子供のまま大人になったという周りからの評価にぴったりでした!

死んでしまえば(Six pieds sous terre )

白妙なつさん演じるオランジュ皇妃の前で歌を披露することになったアロイジア、そしてヴォルフガング。オランジュ皇妃の歌声がまず素晴らしい…!星組には欠かせない方ですよね。

そしてここでもヴォルフガングの無邪気発言が!笑

尻が痛いの我慢して馬車に乗ってここまで来たかいがありましたあー!ってニッコニコしながら言うんです。だから憎めないのよヴォルフガングは。

全体的に普通なら人の気持ち逆撫でにして怒らせるようなこともかなり言うんですけど、嫌味なく成立させて魅力あるキャラクターに仕上げていらっしゃることちゃんすごいです。

しっかりと笑いも取っていて紅イズムも少し感じられて嬉しかったです。

そして紅イズムは他にもところどころで感じられて!

アロイジアを売り込むためにオランジュ皇妃に話しかけようとするコンスタンツェ両親の掛け合いだったりね。笑いの場面と真剣な場面とのメリハリがついていてよかったです。

そしてめでたくオペラ監督への推薦状をもらえたアロイジアですが、コンスタンツェはヴォルフガングを利用する彼女に怒りをぶつけます。

姉妹喧嘩勃発です。

♪死んでしまえば(Six pieds sous terre )ではなこちゃんもほのかちゃんも本気でぶつかり合っていて聴きごたえありました。この後7年も仲直りしなかったのもうなずける迫力。バッチバチです。

父の戒め(J’accouse mon pere)

そんな時、ヴォルフガングのもとにザルツブルクの父から手紙が…

♪父の戒め(J’accouse mon pere)で流石の歌声で聴かせてくださるまりんさん(悠真倫)父の言いつけは絶対だとヴォルフガングが逆らえないだけのことはあります。

奔放なヴォルフガングも父親の前では少し怯えたというか恐縮している感じになっていて。お互い親子として愛してはいるんだけど、微妙な距離感があるのが面白かったです。

「パリに行かなければならない、すぐに帰るから」とアロイジアに歌うヴォルフガングですがなんだか明るい未来は見えないんですよね。

はい、再び礼真琴の謎です。明るい声なのにどこか陰を感じる歌なんですいやあ、本当に表現の幅が広がりましたよねここ5年で。

ロミジュリの頃は歌が嫌いになるくらいに役として歌うことに迷っていらっしゃったのに。特にここから1幕ラストへ向かう流れは年度賞ものだと思いました。

道を開けろ僕が通る(リプライズ)

まずは♪道を開けろ僕が通る(リプライズ)で可愛いパリジェンヌたちと歌い踊ります。新しいことをするんだ!と女の子たちと遊んでいる姿はまたもや少年そのもの!この時の柱を使った舞台セットとそれに合わせた振付が面白かったです。

てかアロイジアとの辛い別れがあったのにお前、切り替え早すぎんだろーー!

かと思ったらお母さんが体調を崩してしまって。母親の前で不安を隠すかのようにたくさん話しかけるヴォルフガング。

薬を買うお金がないからオルガン弾きの仕事をしようか、馬車を売ろうかと提案する優しさがまたヴォルフガングの魅力ですよね。

それを要らないという母の愛ですよ…!さすが柚長(万里柚美)でした。

あのねっ、マジックフルートっていう作品を作ろうかと思うんだよ、それでねっ。

みたいな感じでお母さんに話しかけるヴォルフガングは少年通り越してもはや幼児それが余計に母親の死を残酷なものに見せるんです。

一人残されたヴォルフガング。かもめの時みたいな不思議ダンスで爆踊りします。嘆きのコロスちゃんたちも素敵。

ヴォルフガングが倒れ込むとそこへ雨が降ってきます。地面にへばりついて笑ってるんだか泣いてるんだかわからないような声がまた痛々しいんです。

そこへアロイジアが声をかけます。アロイジアの再会にすこし笑顔を取り戻し、僕は今でも君をと言いかけたところ朝水りょうセンパイが現れ…

結婚したのよ、パリには新婚旅行で、告げるアロイジア。それを聞いたヴォルフガングの凍りついて何も見ていないかのような目。そして乾いた声で新婚…?とつぶやいてからハッとした顔になっておめでとう!!と無理矢理笑う。

この一連のことちゃんの演技が素晴らしかったです。

この方は声の演技も目の演技もできるのがやっぱり他の方との違いだなあと感じました。特に何も見ていない目、をやらせたら絶品です。

バラの上で眠りたい(Je dors sur des roses)

このシーンだけでチケット代ぶんの価値はあります。ことちゃんの綺麗な声がメロディに上手くはまって、切なさを増すんです。

するとなこちゃんが現れてことちゃんの周りを影武者かのごとく踊ります。曲調が変わると兵士が現れてヴォルフガングの道を塞ぎます。

そこからの絶叫かのようなロングトーン!なぜそこまで音が伸びていくのか。礼真琴の謎は深まるばかりです。

劇場の前から後ろ、左から右まで全ての空間が礼真琴の声で埋められていく感覚。こんな感覚味わったことがありません。私たちはやばいものを見てしまったかもしれません

そして兵士のなかで紅一点、強く踊るなこちゃんもまた素晴らしく。

バラが降るなかなこちゃんが舞い、ことちゃんが膝をついて2回目の絶叫ロングトーン。待って待ってどこまで行くの?すごすぎて妙な焦りが出てきました

そしてなこちゃんがことちゃんに絡みついてダメ押しの3回目のロングトーン。この最後が男役としては異例の、いや娘役としても出るかどうかの音域まで段階的に上げていって…!

そこでドンっと幕となるわけです。

え、何が起こったの?

一瞬客席が動きを失って、おもむろにパチパチと始まる拍手

すご…

あちこちからそんな声が聞こえてきました。

今までカラオケ歌唱と言われてきたことちゃん。上手いけど心に響かないと言われてきたことちゃん。しかし少なくともこの歌は技術と声帯の強さと声質のよさがヴォルフガングの絶望を表現する力になっていたと思います。

ことちゃんだからこその表現です。今宝塚にいる人にはだれにも真似出来ないと思います。

技術に裏付けられた表現、あなたの武器はそこだよ!!それが個性だよ!!と伝えたい(誰)。

 

衝撃のラストシーンから休憩を挟んでいよいよ2幕、カチャ演じるサリエリが登場します。2幕については次の記事でまた語りたいと思います!

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ABOUT ME
zukacoto
宝塚が大好きな大学生。 初観劇は2006年雪組全国ツアーのベルサイユのばら。現在の贔屓は星組トップスター礼真琴さま。 プロフィール詳細はこちら

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