こんにちは、zukacotoです。
星組トップスター・礼真琴さんの歩みを振り返るシリーズ、第3弾は新人公演で主演を務めるようになった頃のことをお話します。
第2弾はこちらからご覧頂けます。
礼真琴のショースターとしての素質
2012年3月、ことちゃんは柚希礼音スペシャルライブ「REON!!」に出演します。
下級生ながらソロパートを多数もらっているんです!出番が多くて見応えがあります。この頃からことちゃんはショースターとしての素質を見せていました。
同年5月「ダンサ・セレナータ/celebrity」ダンサ・セレナータは兵士のミゲル役。酒場で酔っ払って柚希礼音さんらに絡みに行く役でした。笑 下級生らしく1場面だけのお役でしたが、これ以降役が付かないということはなかったので第一歩と言ってもいいかもしれません。
そしてショーのcelebrityでは、この前のESTRELLASのbackのような路線の若手男役による場面があったのですが、センターは真風涼帆さんなのにも関わらず真風さんは一言も歌わず、なぜかことちゃんが1曲まるまる歌うというありがたーい現象が起きました。
なんならことちゃん最下級生だった気が…まだビジュアルは男役としては研究の余地ありといった感じでしたが歌声は既に出来上がっていましたね。
同年9月、ことちゃんにとって2回目の全国ツアーとなる「琥珀色の雨にぬれて/celebrity」にご出演 。琥珀の方はローランというジゴロ役でしたが台詞はなかった気がします。うろ覚えですが。
Celebrityでは先ほど述べた若手の場面で、真風涼帆さんが別の公演に出演していたということもあり、今度はセンターで歌もまるまる1曲歌っています。しかも上級生を従えて…!研4ながら初めてショーで1場面もらった記念すべき公演となりました。
この曲を歌い終わった後、柚希礼音さんが登場してサングラスを外すという演出があったのですが、この外したサングラスを受け取る役も仰せつかっていたことちゃん 。DVDではちえさん(柚希礼音)と絡めてちょっと嬉しそうにしていることちゃんが見れます♡
ついに初スチール!そして初階段降り!
2012年11月、珍しい3部作公演「宝塚ジャポニズム/めぐり会いは再び2nd/Etoile de TAKARAZUKA」にご出演 。この公演でことちゃんは記念すべき初スチールを飾ります!この時研4でした。
宝塚ジャポニズムは日本物のショーですがここでは全くと言っていいほど目立っていません。笑
しかし、お芝居のめぐりあいは再びではトップ娘役・夢咲ねねさまの弟ルーチェ役に抜擢。しかも、尊敬する柚希礼音さんの義理の弟という間柄でもありました。
この役、とんでもなくおいしーい役で登場人物たちが入れ替わり立ち替わり会話しているのを陰から見ているという設定。そのため20分くらい舞台に出ずっぱり!
うしろでコロコロ表情を変えていることちゃんが可愛くて可愛くて!ちえねねにも可愛がられてるんだなあって感じられるところもあって…そして通し役がオーシャンズ11以来1年ぶりと久々だったこともあって私も嬉しかったのを覚えています。
ことちゃんの宝塚人生でチャンスや試練を与えてくださった演出家さんとして、私はいつも小柳菜穂子先生を挙げているのですが、この公演での抜擢もその理由のひとつです。
ショーではラインダンスの前に若手何人かと一緒に星に願いをを歌っています。記念すべき本公演初銀橋!(たぶん!!笑ちゃっかりもっと前に渡ってるかもですが)
1番難しいパート任されていてDVDで何度も巻き戻して観たのを覚えています。そしてこの公演で初の階段降りも果たします!
この時の新人公演はお芝居とショーの2本立てでしたが、お芝居では美稀千種さんのお役をしていました。
そしてショーでは真風涼帆さんはじめ何人かでちえさんポジを割り振っていたのですが、ことちゃんはダンスの腕を買われてスコルピオという、あの大劇場の広い舞台でたった1人で数分間踊るという役と、その直後の場面でちえさんポジをゲットしてます。
スコルピオのソロダンス後早替えしてすぐにちえさんポジのセンターで歌を歌うということで、流石のことちゃんもこの時は少し息切れ気味でした(衣装が重かったということもありますが…) 。
そう思うとこの間のbackは返す返すも超人的な体力に驚かされましたが、ことちゃんも最初からああだったわけではないんですよね 。成長を感じられる一面でした!
ちなみに、ソロで踊ったスコルピオの場面はこちらのBlu-rayにて見ることができます。機会がありましたらぜひご覧下さい!ことちゃんのしなやかなダンスを堪能することができますよ。
再びCDメンバーに抜擢
この頃、TAKARAZUKA plays DisneyというCDが発売されたのですが、ことちゃんもこれに参加されています。メンバーはこちら。
花組 望海風斗、華雅りりか
月組 明日海りお、花陽みら
雪組 音月桂、透水さらさ
星組 柚希礼音、礼真琴、妃海風
宙組 実咲凜音、澄輝さやと
専科 北翔海莉
今でこそこの面々と並んでも引けを取らないかなと思いますが、当時は男役下級生ながら再びCDのメンバーに選ばれたということでもう感動でした。
ことちゃんは同期の妃海風ちゃんとラプンツェルの「輝く未来」をデュエットしています。そして、all member によるホールニューワールドでは同期で当時既にトップ娘役だった実咲凜音ちゃんとデュエットしているフレーズもありますよ。
Etoile de TAKARAZUKAの新人公演では星に願いをの場面を変更して妃海風ちゃんと一緒にこの輝く未来を歌っていました!
第一回目台湾公演でまさかのヒロイン!?
そして明けて2013年3月台湾公演「宝塚ジャポニズム/怪盗楚留香外伝/Etoile de TAKARAZUKA」にご出演。
特筆すべきはお芝居の怪盗楚留香。ここではまたまた小柳菜穂子先生演出により石繍雲という女役を演じることになるのですが、このお役事実上のヒロインだったんです!
トップ娘役さまを差し置いてまさかのトップ柚希礼音さまとちょっといい感じの胸きゅんシーンがあるんです。
なぜこの役をことちゃんに回したのか小柳先生の真意はわかりませんが…。冒頭にことちゃんが霊送りの歌を歌ってそれに惹かれてちえさん演じる主人公が声をかけて物語が展開していくということから、その”歌”を大事にしたかったのだと私は解釈しています。
新人公演初主演!大抜擢の裏側で…
同年5月「ロミオとジュリエット」を大劇場にて再演。ことちゃんは研5ながらメインキャストであるベンヴォーリオと愛を役替わりで演じています。
ベンヴォーリオはちえさん演じるロミオの親友。台詞も今まで経験したことがないくらい多いですし、歌が上手いと言われてきたことちゃんも舞台で1人で歌うのは初めてのこと。
この役はもともとロミオと学年が近い人たちが演じてきた役ということもあって、ちえさんと10期も離れた若干研5のことちゃんにとっては試練という他ありませんでした。最初は肩を組むのすら恐れ多くて出来なかったそうです。
さすがのことちゃんももがいているように見えました。歌は上手くても芝居としての歌、役としての歌になってないと指摘されて相当悩んでいたようです。
たしかにこの頃の歌は少し迷走気味というか、気持ちを込めようとしすぎて力みがちだった気がします。
しかも役替わりで愛を演じるという。一度経験した役だからこそ、前の方がよかったと言われないように必死な様子も見受けられました。
(でも…申し訳ないけれど私は研2のときの初演の愛が好きです!たぶんそれは、ことちゃんが男役として下級生なりにも経験を積んだことの証でもあると思います。
愛はあくまで女性らしいしなやかさを要求される役ですし、なんといっても真風涼帆さんの死があってこその愛だったと私は思います。)
しかも役替わりだけにとどまらず、念願の新人公演初主演!!
いや、今思い返してもハードすぎる。よくやらせようと思ったな、劇団様も。でも、ことちゃんなら出来る気がしてしまうのが不思議ですよね。
礼真琴ならできる。
今でこそプレッシャーを乗り越え、それをむしろパワーに返る力を手に入れたことちゃんですが、劇団から、演出家から、ファンからの高すぎる期待にことちゃんは長年悩み苦しむことになります。
さて、肝心の新公初主演のロミオ役は若々しさが逆によかったのかハマっていて、本公演とは打って変わって生き生きとしていたように見えました。特に、♪僕が怖いを泣きながら歌う姿には鳥肌が立ちましたね。
ことちゃんはこの頃からインタビューで芝居には苦手意識があると繰り返し言うようになります。でも、たしかに歌やダンスと比較するとお芝居は普通だったかもしれませんが、あの僕が怖いはロミオが乗り移ったかのようでとても素晴らしかったと思います。
同年9月には柚希礼音さんのライブ「REON!!Ⅱ」にご出演。前回のREONよりもソロも多くもらっていて、星組の中で徐々にステップアップしていることが証明された公演になったのですが…。
特筆すべきは憧れの柚希礼音さんとパパラギのデュエットダンスを踊ったこと!2人とも真っ白な衣装でことちゃんは娘役として柚希礼音さんとデュエットダンスを踊ったんですが、ピタリとタイミングの合ったダンスは評判となりました。
稽古中はちえさんのダンスをひたすら見て音の取り方から研究しつくして合わせに行ったといいます。
何よりも、柚希礼音と一緒に舞台に立ちたい!とこの世界に飛び込んだ少女がこうして本当に2人で踊っている。リアルシンデレラストーリーを見ているかのようで何だか感動して涙が出そうになりました。
2014年、宝塚は100周年を迎えます。記念すべき最初の公演に星組が選ばれ、小池修一郎先生によるオリジナル作品「眠らない男・ナポレオン」に出演。
なんとロミオとジュリエットのジェラール・プレスギュルビック氏から全編楽曲提供を受けるなど、宝塚としてもかなり気合いの入った作品でした。衣装もセットも桁違いに豪華!
そんな作品でしたが、台本がギリギリまで上がってこなかったり、公演が始まってからも変更が多く大変だったと星組の皆様がこぼしていらっしゃいました。笑
ことちゃんは主役のナポレオンの妻となるジョセフィーヌの連れ子・ウジェーヌを演じます。もちろん、ソロ曲もありましたよ!
そしてこの公演で新人公演2回目の主演も果たします。ロミオとジュリエットと同様にことちゃんの歌唱力が活かされた新人公演でした。
念願のバウ初主演!そして…
同年5月、ついに「かもめ」でバウ初主演を果たします。わずか研6での抜擢となりました。
この頃から95期男役の活躍がじわじわと知られるようになっていたのですが、思えば新人公演初主演も、バウ初主演も、トップ就任もいつも先陣を切っていたのはことちゃんでしたね。
さて、このかもめですが何かとご縁のある小柳菜穂子先生による演出。初めはミュージカルと言っていたのにフタを開けてみたらほぼストレートプレイ。話としてもロシア文学ということで難解で、宝塚らしくない作品でした。
芝居への苦手意識を感じ取った小柳先生が、ことちゃんのために敢えてお芝居の力を磨くためにこの題材を選んでくれたようです。
たしかに難しい役だったようですが、この公演を踏んでからはお芝居が楽しくなったと発言を一転させるようになったことちゃん。小柳先生ありがとうございます!と言った心境です。笑
インタビューなどで芝居への苦手意識や、娘役をやることが多いことなどについてたびたび悩んでいる様子を見せていたことちゃん。
周りから優等生と呼ばれることも悩みのひとつでもあったようですが、悩みながらも壁にぶつかりながらも確実に成長していった充実した新人公演時代だったと思います。
同年7月「The Lost Glory 美しき幻影/パッショネイト宝塚!」に出演。お芝居ではパット・ボローニャというウォール街の靴磨きの役でした。当然のようにソロも与えられて、お芝居でも場面を担うようになります。
新人公演では轟悠さん特出ということもあり主演ではないものの柚希礼音さんの役を演じました。初の悪役でしたが、スーツの着こなしはまだまだ改善の余地ありだったかな。しかしギラギラとした目がよかったです。
ショーではカポエイラの場面が印象的でした。場面の始めでのソロ曲♪ファヴェーラには鳥肌モノです!
そして、この公演で初めて大階段を1人降りしました。
同じ頃、歌劇の9月号にて初のカラーポートに抜擢されています。
同年11月ことちゃん3回目の全国ツアーはまさかの「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ役 。初ヒロイン、そしてご本人主演作以外では初ポスター入りとなった公演でしたが、これは少し苦戦していた気がします…。
主演の紅ゆずるさんも稽古期間中に体調を崩してしまって、後にお二人の対談で心残りのある公演だったとお話しされています。
そしてあまりに女役が回ってくるので転向を考えたこともあるとも…。そんな中、いつかは来ると恐れていた憧れの人の退団が発表されるのです。
礼真琴の歴史④柚希礼音の退団という試練につづく。
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