(こちらの記事は以前書いたものに加筆したものになります。)
こんにちは、zukacotoです。
歴代トップスターの魅力を語ると題して、過去のトップスターさんのことをお話していきたいと思います。シリーズ化できればいいなと思いますが…頑張ります。笑
第1回目は元星組トップスター・安蘭けいさん。
とうこさんは2006年から2009年までの約2年半、星組トップスターを務めました。とうこさんの最大の功績は、なんと言っても「スカーレット・ピンパーネル」ですよね。
初演を見事成功に導いた立役者です。今回はそんなとうこさんの魅力を今回はたっぷり語っていこうと思います。
トップスターになるまでの歩み
とうこさんと言えば、歌、ダンス、お芝居のどれを取ってもハイレベルで、そのことはあの77期で首席入団を果たしたということからも伺えます。
77期といえば…
- 12年もの間トップ娘役を務め、女帝ともうたわれた花總まり
- 圧倒的な歌唱力で知られる元花組トップ春野寿美礼
- 妖精のような美しさと軽やかなダンスで観客を魅了した元雪組トップ朝海ひかる
彼女たちを輩出した学年ですね!このメンバーの中で首席とは…とうこさんの凄さがわかります。
しかし、その実力に反してとうこさんのトップへの道は平坦なものではありませんでした。
まず音楽学校の受験から試練は始まります。受験資格が得られる中3から毎年受験していたにも関わらず結果はいつも不合格。ラストチャンスの4度目の受験でやっと合格できたといいます。
初舞台後は雪組に配属になり、路線としての道を着々と歩いていたものの、雪組に同期の朝海ひかる、成瀬こうきが組替えしてきて、トリオで扱われるようになります。
2000年にとうこさんは星組へ組替え。2番手として活躍し始めます。
2003年、当時の星組トップスター・香寿たつきが退団します。しかし後任はとうこさんかと思いきや、専科の湖月わたるに決定。とうこさんは2番手のままステイということになります。
一方、雪組では同期でトリオとして切磋琢磨してきた朝海ひかるがトップに就任。正直色々思うことがあったのだと思います。後にとうこさんが語っていたことがとても心に染みました。
宝塚に入ったからには、もちろんトップを目指していました。しかし、なかなかトップになれない。だから私はトップになることを諦めて、劇団から安蘭にこんな役をやらせたいといってもらえるような役者になろうと決心した。そうしたら不思議と次期トップに、との話が舞い込んできました。
トップを諦めるくらい長い間2番手を務めたとうこさんでしたが、湖月わたるの退団に伴い、ついに次期トップスターに決定します。
とうこさんが2番手時代、最後に主演した「龍星」という作品がありました。その中に星を継ぐものという歌があります。
♪いつか星を継ごうという演出家の児玉明子先生の愛情が感じられる歌詞は多くの方の感動を呼びました。
ちなみにこの歌、とうこさんのサヨナラショーで2番手だった柚希礼音が歌ったことで再びファンの涙を誘うことになります。
星組トップスター時代の作品
2006年、満を持して星組トップスターに就任したとうこさん。入団から実に16年もの月日が経っていました。相手役には専科から遠野あすかを迎えます。
ちなみに当時首席入団はトップになれないというジンクスがあったのですが、それを打ち破ったのがとうこさん。50期生の汀夏子さん以来27期ぶりのことでした。
さくら/シークレット・ハンター
記念すべき大劇場のお披露目公演は「さくら/シークレットハンター」
「シークレット・ハンター」はカリブの島を舞台に泥棒ダゴベールととある国のプリンセスとの恋を描いた作品。
現在各組で2番手として活躍している彩風咲奈・芹香斗亜・愛月ひかるら93期生の初舞台作品でもあります。(ちなみに芹香斗亜の愛称・キキの名付け親はとうこさんだそうです。)
とうこさんの初日挨拶は宝塚ファンの間では伝説になっていますね。
夢とは見るものじゃなくて、叶えるもの。しかし、たとえ叶わなくても努力した道のりもまた夢だと思う。
これを聞いて涙しないファンはいなかったでしょう。
エル・アルコンー鷹ー/レビュー・オルキス
大劇場2作目は「エル・アルコンー鷹ー/レビューオルキス」
青池保子の漫画原作で、とうこさんがまさかのダークヒーロー!!悪い男の色気といいますか…とにかくとうこさんがかっこよすぎて私も大好きな作品です。
2007年当時としては最新の映像を取り入れた演出などもみどころです。
ちなみにこのエル・アルコンは2020年に礼真琴・舞空瞳率いる星組で13年ぶりに再演されることが決定しました。予習用にあらすじと注目して欲しいポイントをこちらの記事でまとめていますので、お時間ある方はこちらもぜひ♡
一方、ショーの”オルキス”とは蘭の一種の名前だそうで、とうこさんの芸名を題材にしたということになりますね。
特に私は同題の主題歌がお気に入りで今もお風呂で時々歌ってしまうほど。サビに♪タンゴタンゴ エルタンゴという歌詞があるように、タンゴもみどころの一つです。
なんと地球の反対・アルゼンチンから権威ある先生を招いて振付を担当してもらったそうですよ。
スカーレット・ピンパーネル
さて3作目は言わずと知れたスカーレットピンパーネル。冒頭で述べた通りとうこさん代表作にして最大のヒット作です。
もとはフランク・ワイルドホーン氏が作曲を手がけたブロードウェイ・ミュージカルで、フランス革命を題材にした壮大な冒険と愛の物語。
話としての面白さはもちろんですが、あそこまでのヒットを得たのはなんといってもとうこさんの歌の力が大きいと思います。
宝塚で上演するにあたってとうこさんの歌を聴いたワイルドホーン氏は、とうこさんのために新曲を書き下ろします。それが主題歌「ひとかけらの勇気」です。とうこさんの透き通って伸びやかな歌声が活きる名曲ですよね。
出演者・スタッフの総合力も素晴らしく、スカーレット・ピンパーネルはこの年の菊田一夫演劇大賞などを受賞することになります。
My Dear New Orleans/ア・ビヤント
サヨナラ公演となった大劇場4作目は「My Dear New Orleans/ア・ビヤント」
とうこさんは大劇場作品たった4作で退団をしてしまいました。もう少し見たかったなと個人的には思いますが…しかしとても濃いトップ時代でした。
「My Dear New Orleans」は人種差別などがテーマになっていて、退団公演としてはちょっと変わっていますね。人間関係も複雑でちょっと高等向け!笑
演出家・植田景子らしい作品となっています。
とうこさんのラストデイのDVDを観たことがあるのですが。お芝居のラストシーンで舞台奥に向かって歩きながら幕、となるところ、とうこさんが最後に立ち止まって客席を振り返ったときにすーっと涙を流していたのが印象に残っています。
歌をテーマにした作品ということもあって聴きごたえのある曲がたくさん!特に、トリデンテで同じ歌詞の歌を違うメロディーで同時に歌うところは圧巻でした!
ショーはフランス語でまたね!という意味。退団公演らしいシーンもありつつ、またね!というタイトルの通りさみしさの中にも前向きになれるような、そんなショーに仕上がっていました。
おわりに
今回は安蘭けいさんについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか?
真っ直ぐで透き通った歌声、そして気負いのないお芝居が印象的なトップスターさんでした。
今回はトップ時代の作品を中心にお話してきましたが、2番手時代に主演した「雨に唄えば」もとうこさんの良さが出ていてすごく素敵なので機会がありましたらぜひご覧下さい!
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