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宝塚とロミオとジュリエット|歴代のキャストを比較してみた【まとめ】

こんにちは、zukacotoです。

先日、ロミジュリの再演記念で豪華ブルーレイBOXが発売になると発売されました。今までのロミジュリの全パターンと、新人公演を収録したブルーレイBOXが発売されるとのこと。

 

これを機会に宝塚とロミオとジュリエットの歴史を振り返ってみようかと思います。

宝塚とロミオとジュリエット

宝塚ではロミオとジュリエットは色々と上演されてきてはいますが、今回再演されることになったロミオとジュリエットというのはジェラール・プレスギュルヴィック氏によってミュージカル化され、フランスで初演されたもの。

宝塚では2010年に星組で初演され、2011年に雪組、2012年に月組、2013年に再び星組で再演されました

宝塚ではこれまで1789ーバスティーユの恋人たちー、太陽王、アーサー王伝説、ロックオペラモーツァルトといったフレンチミュージカルを数多く上演してきましたが、ロミオとジュリエットはその先駆けとなった作品でもありました。

配役比較表

これまでの主な配役を表にまとめてみました。

2021
星組
2013
星組
2012
月組
2011
雪組
2010
星組
ロミオ 礼真琴 柚希礼音 龍真咲
明日海りお
音月桂 柚希礼音
ジュリエット 舞空瞳 夢咲ねね 愛希れいか 舞羽美海
夢華あみ
夢咲ねね
ティボルト A愛月ひかる
B瀬央ゆりあ
A紅ゆずる
B真風涼帆
明日海りお
龍真咲
緒月遠麻 凰稀かなめ
ベンヴォーリオ A瀬央ゆりあ
B綺城ひか理
A礼真琴
B紅ゆずる
星条海斗 未涼亜希 涼紫央
マーキューシオ A極美慎
B天華えま
A壱城あずさ
B天寿光希
美弥るりか 早霧せいな 紅ゆずる
A天華えま
B愛月ひかる
A真風涼帆
B麻央侑希
珠城りょう 彩風咲奈 真風涼帆
A碧海さりお
B希沙薫
A鶴美舞夕
B礼真琴
煌月爽矢 大湖せしる 礼真琴
ロレンス神父 英真なおき 英真なおき 英真なおき 奏乃はると 英真なおき
乳母 有沙瞳 美城れん 美穂圭子 沙央くらま 白華れみ
キャピュレット卿 天寿光希 一樹千尋 越乃リュウ 一樹千尋 一樹千尋
キャピュレット夫人 夢妃杏瑠 音花ゆり 憧花ゆりの 晴華みどり 音花ゆり
モンタギュー卿 美稀千種 美稀千種 綾月せり 飛鳥裕 にしき愛
モンタギュー夫人 白妙なつ 花愛瑞穂 花瀬みずか 麻樹ゆめみ 花愛瑞穂
ヴェローナ大公 A輝咲玲央
B遥斗勇帆
十輝いりす 輝月ゆうま 大凪真生 水輝涼
パリス A綺城ひか理
B極美慎
A天寿光希
B壱城あずさ
紫門ゆりや 彩那音 天寿光希

さて、ここからはそれぞれの組について見ていきますよ~!

2010年星組 柚希礼音×夢咲ねね

まずは初演版の配役を見ていきましょう。現役生はピンク、のちにトップになった方はで示しています。

ロミオ 柚希礼音
ジュリエット 夢咲ねね
ティボルト 凰稀かなめ
キャピュレット卿 一樹千尋
ロレンス神父 英真なおき
モンタギュー卿 にしき愛
乳母 白華れみ
ヴェローナ大公 水輝涼
モンタギュー夫人 花愛瑞穂
キャピュレット夫人 音花ゆり
ベンヴォーリオ 涼紫央
マーキューシオ 紅ゆずる
パリス伯爵 天寿光希
真風涼帆
礼真琴

日本初演は思い返せば大劇場公演ではなく梅田芸術劇場での公演でした。

宝塚ではフレンチミュージカルを何度か上演していますが、意外と小劇場での上演が多いですよね。太陽王にアーサー王伝説、ロックオペラモーツァルト…。

ロミジュリに関しては個人的にはこの小劇場ならではのコンパクト感がむしろ合っている気がして初演版が1番好きです。

さて、この初演で特筆すべきは何と言っても今や宙組と星組トップスターになった真風涼帆と礼真琴による死と愛です。これは強烈でした。

2013年の再演に際して演出の小池修一郎先生が公演プログラムに寄せたお言葉がこちら。

初演のある者は退団し、ある者は組替えとなった。再度オーディションを行ったが、何れも甲乙付け難い人材ばかり。(中略)初演で強烈なインパクトを残した真風涼帆の「死」と礼真琴の「愛」はもう一度観たくもあり、また新たな挑戦をさせたくもある。

東京宝塚劇場 星組 ロミオとジュリエット 公演プログラムより

あの小池先生に強烈なインパクトを残した、もう一度観たいと言わせるなんて相当ですよね。

礼真琴のトップ就任に際してはこうも仰っています。

礼真琴の「愛」は予想以上の成果を上げ、日本初演成功の一因となった。

歌劇2020年2月号 礼真琴トップ特集

好みはそれぞれあると思いますが、私はやっぱり死と愛についてはこのお二人のコンビネーションが神がかりすぎて他のが物足りなく感じてしまうんですよね。

ちなみに初演版では階段降りの順番がスター制度ガン無視、配役重視の並びで。これがかなり興味深いんですよ。

  1. ヴェローナ大公(&従者2人)
  2. モンタギュー夫妻
  3. キャピュレット夫妻
  4. 乳母&ロレンス神父
  5. 死&愛
  6. マーキューシオ
  7. ベンヴォーリオ
  8. ティボルト
  9. ジュリエット
  10. ロミオ

この順番で降りていらっしゃいました。ちなみにパリス伯爵役のみっきー(天寿光希)は普通の街の男としてフィナーレは参加していらっしゃいました。

小池先生がどの役を重視していたのか、役の比重がよくわかる順番だと思います

と同時に若干研5の真風涼帆と研2の礼真琴が当時の組長・英真なおきよりあとに降りてきて、当時既に研9だった紅ゆずるの直前に降りてくるというのがどれだけ異例なことか。大抜擢だったことが伝わってきますよね。

ロミオとジュリエットを観るなら星組初演版をおすすめする3つの理由こんにちは、zukacotoです。 今回はロミオとジュリエットについての話題です。 宝塚におけるフレンチミュージカルの先駆け...

2011年雪組 音月桂×舞羽美海・夢華あみ

初めての再演は2011年、雪組の御曹司・音月桂のトップお披露目公演でした。配役は以下の通りです。

本公演 新人公演
ロミオ 音月桂 彩風咲奈
ジュリエット 舞羽美海
夢華あみ
愛加あゆ
ティボルト 緒月遠麻 凛城 きら
ベンヴォーリオ 未涼亜希 香綾 しずる
マーキューシオ 早霧せいな 彩凪 翔
キャピュレット卿 一樹千尋 朝風れい
ロレンス神父 奏乃はると 帆風 成海
モンタギュー卿 飛鳥裕 央雅 光希
乳母 沙央くらま 透水 さらさ
ヴェローナ大公 大凪真生 透真 かずき
モンタギュー夫人 麻樹ゆめみ 此花 いの莉
キャピュレット夫人 晴華みどり 千風 カレン
パリス伯爵 彩那音 真那 春人
彩風咲奈 煌羽 レオ
大湖せしる 久城 あす

ジュリエットの配役をめぐって、ファンが少し…かなり…荒れましたよね。

舞羽美海ちゃんというのが彩風咲奈ちゃんらと同じ93期生で、当時雪組でものすごく勢いがあって、とても綺麗だし成績もいいし、新トップスター音月桂ともよく組んでいたし次期トップ娘役は美海ちゃんだろうと多くの方が予想していたのですが…。

蓋を開けたらトップ娘役はしばらく不在という形に。わずか研1の組配属されたばかりの夢華あみちゃんがジュリエットに抜擢されて美海ちゃんと役替わりで演じることになります。

このあみちゃんが96期生というのがまた物議を醸した。この辺りの事情は私も実際のところはわからないですし、デリケートな問題ですのであまり触れたくないのですが。

いじめ問題で裁判沙汰を起こしたばかりということで反感を買ったと言いますか。

たしか3ヶ月の公演のうち半分は体調不良ということで休演することになったのではなかったかと記憶しています。

その後、結局トップ娘役には舞羽美海ちゃんが就任。

96期問題が収まらないうちに無理な抜擢を受けて同期のぶんまで必要以上に誹謗中傷の対象になっていたのはかわいそうだったなと個人的には思います。

そういう事情があったためか、今回発売されるブルーレイBOXには役替わりも全編収録というのが売りのはずが、しれっと夢華あみちゃんのジュリエットは外されているあたりなんとも言えぬ闇を感じますよね

さて、次期雪組トップスターに決定した咲ちゃんこと彩風咲奈は新人公演でロミオに、本公演では死に抜擢されています。

そして、なんとも小池先生らしい配役がマーキューシオ役の早霧せいな。宙組から組替えしてきたちぎさんはこの公演から雪組2番手として活躍することになりますが、歌が苦手というのがネックでした。

ということで序列的にはティボルトだったところを主要キャストのなかで1番歌の少ないマーキューシオに配役されることになったのではないかと思います。

代わりに階段降りではしっかり2番手の位置で降りてきていました。

小池先生はオーディションでダメだと思ったら外すし、いいと思ったら抜擢する。そこがよさでもありますが、ジェンヌさんにとっては恐ろしいところだと思います。

もう一つ、雪組版のことで書いておかなければならないのは震災のこと。

東京公演の千秋楽間近の3月11日のことでした。幸い、震災が起こったのは休憩中で舞台機構にはトラブルもなく。翌日は休演したものの、その次の日には公演を再開することが出来たようです。

しかし、同じく東京にある日本青年館では舞台機構に問題が出たようで、公演予定だった宙組公演「ヴァレンチノ」が全日程公演中止となってしまったようです。

2012年月組 龍真咲・明日海りお×愛希れいか

再々演は月組。龍真咲愛希れいかのトップお披露目公演でした。キャストはこちらになります。

本公演 新人公演
ロミオ 龍真咲
明日海りお
珠城りょう
ジュリエット 愛希れいか 咲妃みゆ
ティボルト 明日海りお
龍真咲
煌月爽矢
ベンヴォーリオ 星条海斗 輝月ゆうま
マーキューシオ 美弥るりか 朝美絢
キャピュレット卿 越乃リュウ 貴澄隼人
ロレンス神父 英真なおき 千海華蘭
モンタギュー卿 綾月せり 輝城みつる
乳母 美穂圭子 晴音アキ
ヴェローナ大公 輝月ゆうま 天翔 りいら
モンタギュー夫人 花瀬みずか 真愛 涼歌
キャピュレット夫人 憧花ゆりの 花陽 みら
パリス伯爵 紫門ゆりや 星輝 つばさ
珠城りょう 鳳月 杏
煌月爽矢 隼海 惺

うん?主役たるロミオが2人?と初めて見た方は思ったことでしょう。

これが月組のおかしな時代の幕開けでした。前任の霧矢大夢の時代から役替わりや番手ぼかしをされてきた龍真咲と明日海りおでしたが、龍真咲をトップスター、明日海りおを準トップスターとすることで決着をつけたのです

そして、主役を役替わりできるような体制にしたと意気揚々と売り出したわけですが…ただでさえ激務のトップスターです。主役と2番手級の役を役替わりだなんて、こんなの続くわけがありません。

結局翌年には明日海りおが花組に2番手として組替えすることで、この変な制度は立ち消えました。

現トップスターの珠城りょうは本公演では死を、新人公演ではロミオを演じました。元雪組トップ娘役の咲妃みゆちゃんはジュリエットを演じていらっしゃいました。

現在も活躍している鳳月杏朝美絢も新人公演で主要な役を演じました。

特筆すべきは当時若干研4の輝月ゆうまがヴェローナ大公に抜擢されたこと。ご本人もいつぞやのグラフの同期対談のコーナーで「新人公演の配役かと思った」と仰っていましたが、これには私もびっくりしました。

95期は路線、という意味でもスターさん揃いですが脇役、という意味でも素晴らしい方がたくさんいらっしゃるということを改めて感じます。

2013年星組 柚希礼音×夢咲ねね

2013年には再度星組で上演されることになります。こちらは役替わりがかなり大規模に行われました。

本公演 新人公演
ロミオ 柚希礼音 礼真琴
ジュリエット 夢咲ねね 城妃美伶
ティボルト 紅ゆずる
真風涼帆
麻央侑希
ベンヴォーリオ 紅ゆずる
礼真琴
夏樹れい
マーキューシオ 壱城あずさ
天寿光希
紫藤りゅう
キャピュレット卿 一樹千尋 漣レイラ
ロレンス神父 英真なおき ひろ香祐
モンタギュー卿 美稀千種 凰姿 有羽
乳母 美城れん 妃海風
ヴェローナ大公 十輝いりす 飛向蘭
モンタギュー夫人 花愛瑞穂 珠華ゆふ
キャピュレット夫人 音花ゆり 夢妃杏瑠
パリス伯爵 壱城あずさ
天寿光希
音咲いつき
真風涼帆
麻央侑希
十碧れいや
鶴美舞夕
礼真琴
凰羽みらい

小池先生が死と愛を真風涼帆と礼真琴にやらせたいがための苦肉の策だったように感じます。これは私の個人的な印象でしかありませんが。

当時既に3番手として、何なら2番手紅ゆずるとニコイチレベルに活躍していた真風涼帆に死をやらせたいが、これでは3番手としては役不足である。ならば役替わりにするか、といった具合だったのではないかと。

今度の再演で主演を務める礼真琴は初演で好評を得た愛だけではなく、若干研5ながらベンヴォーリオという大役を役替わりで任されることになります。

7期も上の紅ゆずるとの役替わり、そして10期も上のトップスター・柚希礼音と親友役。しかも、それだけでなく新人公演で初主演。

…ことちゃん、よく生還しましたよね。

当時既に私はことちゃんのファンでしたが、本公演の配役が発表された時はまだしも新人公演の配役が発表された時には待望の初主演のはずなのに心配の方が先立ってしまったのでした。

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2021年星組 礼真琴×舞空瞳

最新版の星組公演についても配役だけまとめておきますね!

ロミオ 礼 真琴
ジュリエット 舞空 瞳
ロレンス神父 英真 なおき
モンタギュー卿 美稀 千種
モンタギュー夫人 白妙 なつ
キャピュレット卿 天寿 光希
ヴェローナ大公 輝咲 玲央
遥斗 勇帆
キャピュレット夫人 夢妃 杏瑠
ティボルト 愛月 ひかる
瀬央 ゆりあ
愛月 ひかる
天華 えま
ベンヴォーリオ 瀬央 ゆりあ
綺城 ひか理
パリス 綺城 ひか理
極美 慎
乳母 有沙 瞳
マーキューシオ 天華 えま
極美 慎
希沙 薫
碧海 さりお

詳しくはこちらに色々書いているので、よければ併せてどうぞ♡

星組がつくる新たなロミオとジュリエットに期待|一部の配役&先行画像発表こんにちは、zukacotoです。 さて、出ましたね!星組「ロミオとジュリエット」の一部配役と先行画像。 いや、完全に不意打...

おわりに

今回はそれぞれのロミオとジュリエットについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか?

こうして振り返るとロミオとジュリエットには色々と組の事情が…。ねえ…。絡んできて。100周年特需の前はなんとも闇の深い人事の多い時期があったことを思い出しました。笑

さて、今回発売されるブルーレイBOXには

  • 2010年星組版
  • 2011年雪組版(ジュリエット:舞羽美海)
  • 2012年月組版(ロミオ:龍真咲)
  • 2012年月組版(ロミオ:明日海りお)
  • 2013年星組版(役替わりA)
  • 2013年星組版(役替わりB)

こちらの6本が全編収録。これに加えて

  • 2011年雪組新人公演
  • 2012年月組新人公演
  • 2013年星組新人公演

が全編収録。そして、当時新人公演でロミオとマーキューシオを演じた

  • 彩風咲奈×彩凪翔
  • 珠城りょう×朝美絢
  • 礼真琴×紫藤りゅう

によるトークも収録。特典として本公演の稽古場風景も収録されているそうです。

 

さて、この度新人公演でロミオを演じた礼真琴が今度はトップスターとして再びロミオに挑戦することになりました

最後に再演されてから8年。ほとんどの方はロミオとジュリエットに出演したことのない方ですし、メインキャストも一新。演出に稲葉先生も加わるということで、新たなロミオとジュリエットがきっと生まれるのでしょうね!楽しみにしたいと思います。

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zukacoto
宝塚が大好きな大学生。 初観劇は2006年雪組全国ツアーのベルサイユのばら。現在の贔屓は星組トップスター礼真琴さま。 プロフィール詳細はこちら

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